ローマには見どころはあり過ぎて個人で行くならジャンル別に分けて、行きたい場所を絞
らないと限られた時間では回れない。私たちはお任せ定食のつまみ食い観光だから、テ
ーマなしの有名な所巡り。最初に訪れたのはキリスト教といえばバチカン宮殿、ここはロー
マ市内にありながられっきとした国家であるが入出国管理をする所謂イミグレはない。警備
していた場所はサンピエトロ寺院だったと思うが、国家と思わせる場面は衛兵がいること。
イタリアにありながらイタリア人はいい加減だからと言う理由でスイス軍が担当、ともっともら
しい説明があった。面積は0.44㎢しかなく東京ディズニーランドの0.52㎢よりも狭い国家。
バスを降りて徒歩でバチカン市国の領地に入ると、そこはサンピエトロ広場。ローマ法王の
一般謁見の際にはあのバルコニーの所から姿を現すとガイドの説明、そういえばTVでよく
観る光景の場所だ。大聖堂はカトリックの総本山だから荘厳な雰囲気が漂っていて、壮大
な規模の建屋や彫刻なども歴史の重みを感じさせる。聖堂から美術館の鑑賞に移動する。
この時は補修作業が行われており、場所によっては足場が組まれている間を移動しなけれ
ばならなかった。
美術のことはよく知らないから、この美術館に展示されている有名な絵にしても、説明を受け
次の絵の説明を受けると入れ替わってしまい頭の中には残っていなかった。ミケランジェロ、
ダビンチなど有名な芸術家の作品が展示されていたことだけはよく覚えている。
バチカン市国を後にして、トレビの泉では背中越しにコインを噴水の池に投げ入れ、冬だとい
うのに有名なジェラートを食べ歩く。観光名所だけに人が多く中央あたりの写真スポットは色々
な肌の色をした人が写真を撮るため順番待ちみたいになっている。
池の中には投げ込まれたコインが無数にあり、回収はポンプで吸い上げると説明を受けた。こ
のような人混みで注意を要するのがジプシーなる存在だ。子供から17~8才くらいの集団で置
き引き、すりを働く犯罪集団だ。一人が前の方で注意を引いている間に後ろから鞄の中身を抜
き取る、しつこくつきまとい隙を見せたら餌食にされる。
私たちのグループの一人が鞄に手を突っ込まれているのを別のメンバーが見付けて追い払い
難を逃れることができた。何度も注意され、気をつけているつもりでも相手が子供と気を抜くと災
難に遭う。鞄は前で抱きかかえるようにする、車道側に鞄を持つことは厳禁、走って来る車から
盗られてしまうから。こうしたジプシーは姿格好から直ぐに分かるが、余りにも手口が大胆過ぎて、
子供と言えど恐ろしくなってくる。兎に角、人の集まる所には沢山のジプシーが屯して獲物を物
色していた。
近年はイタリアが不景気になったから国境を持たないジプシーたちが景気のいいフランスの方
に移動しているとパリに行った時、ガイドの説明があった