食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『回想旅行記、フィレンツェⅡ』

2013年11月09日 16時55分41秒 | 旅行

目的のレストランを探すが見つからず、時間もないので空いていそうなレストランを見

つけ6人だと言うと、店の前に即席のテーブルを準備してくれた。12月だから多少の冷

えはあるが幸いにも天気が良かったから吹く風も心地よい。時間的な余裕は余りないか

ら皆、同じものが良いだろうとの声からカルボナーラを注文する。私はチーズやホワイト

ソースが苦手だったから、そちら系統のパスタ料理を好んで食べることはなかった。好き

ではないから種類についても無頓着な方、でもここはパスタの本場だから色々な種類を

試すいい機会、私にとって初挑戦のパスタばかりだ。

若いお嬢さんが大きな皿に盛られたカルボナーラを運んできた。パスタの上には沢山の

チーズが振りかけられており強くはないが独特の香りを放っており、以前の私なら見向き

もしなかったと思う。食べた人が『すごく塩辛い』と声を出す。それに続いて次々と辛いを

連発、そうなると俄然張り切るのが私、塩辛い料理には目がないからだ。食べてみると確

かに辛いが、それとチーズ、ソースがツボに落ち私にはとても美味しい一品になった。他

の人は敬遠気味に箸を進めるから、私が幾ら張り切っても一人で食べ切れる量ではない

ほど食べ残しがでた。塩辛いチーズの効いたパスタ、でも大満足の昼食だった。

時間に追われていたので支払いも早々に・・・・ここでチップを忘れていることに気づかず、

広場に着いてから『チップを忘れていた』と後の祭り、チップの習慣がないから急いだりす

ると気が回らず忘れてしまう。実はこの後、夜に使ったタクシーでもチップを忘れてしまった。

再集合の場所にたどり着いたら丁度、集合時刻になっていた。こうしたグループツアーにな

ると必ず迷子になったり、遅れてしまう人が出て来る。今回の旅でも問題児が2人いて、ここ

でも集合時刻を大きく遅れて戻って来たし、ローマでは一時行方不明になりガイドを大慌て

させた。広場のすぐ側にはイタリアルネッサンスの絵画を展示する

ウィフッツ美術館がありダ・ビンチ、ラファエロ、ミケランジェロなど錚々たる人たちの作品が展

示されている。

同行の人の中には有名なヴィーナス誕生を鑑賞するのが、今回の旅の目的だと言っておられ、

同じ旅にしても高尚な方もおられる。今回の旅行は添乗員付きだから何処でも連れて行って貰

える所に行って、何でもいいから見るつもりにしていたので、事前調査は何もしていなかった。

だから、この美術館が有名で貴重な作品も沢山あることも現地に行くまで知らなかった。絵のこ

とは分からない私でも展示されている絵を見れば、何か伝わって来るものがある。ただ残念だっ

たのは日程の都合で入館が遅れ、足早で短時間の鑑賞しか出来なかったことだ。

それでもヴィーナス誕生をゆっくりと鑑賞する時間はあり、私にすれば予定外の収穫だった。


『農地を守る気はあるか?』

2013年11月09日 16時53分26秒 | 日記

日本の農業政策は猫の目政策。生かさず殺さずは江戸時代から続いている日本の農

業の厳然たるコンセプト。業があるからにはそれを支える民がいる。人間が生きていくの

に必要な食糧づくりを担いながら、食にさえ困窮した時代もあった。大半の農家は先祖

伝来の田畑を守りながら農業を支えていたが、残念ながらそうした人たちの努力は過去

から政治や権力からは、時代々の都合で使い回されただけだ。

日本にも議会が作られ議員を選ぶ時代が来たのは遠の昔のことだ。だから農業政策に

疑問があれば議員選挙で選択する道もあった。私は農業従事者でも利害関係者でもな

い、ただの口うるさい爺さんだが、日本の農業政策は間違っていると思う。農業政策は一

貫した筋道はなく、豊作になれば減反、何か事情が変われば減反の軽減を繰り返してい

る。だれも本質的な日本の農業を考えているのではなく、むしろ政治家の中ではお荷物に

なっている。だが彼らには選挙という恐ろしいものがあり、力を持つ農家は選挙の時だけは

味方になってもらう必要があるから二つの顔をもって接しているのに過ぎない。しかしなが

ら、過去の農業団体のスタンスは自民党政権を支援し続けてきた。過去から現在に至るま

での農業の変わりようを、身を以て経験しながら、政権を支持する側にいたのだから、結果

としておかしくなっている日本の農業に文句を言える立場にはないとも言える。

しかし農業を守っていくことが困難になってきたのは政治だけの精ではないのも事実で、少

子高齢化は回避しようもない大きな問題だ。私の周辺でも耕作放棄地の増加は止まること

はなく、増え続けている。一方で農地の宅地造成や資材置き場への転換により畑地は虫食

い状態になり、旧市内に近い地域ほど農村の姿は変わり果てている。農業で生計を立てられ

ないことは農業離れの決定的な要因になっているし、農業の新規就農にしてもハードルが高

過ぎて、農地を守る条件や環境は悪化の一途をたどるばかり。こうした政策転換を図ろうとす

れば新たな利害が表面化したまま袋小路に入る。農地を保有する兼業農家の内、どれくらいが

耕作放棄されているのか知らないが、2~3年放棄すれば農地としてカムバックさせることは相

当な困難を伴うことからすれば、こうした農地は既に農地ではなくなっている。農地法では農

地は農地としての特権を与えられる代わりに守る義務を有する。だから耕作放棄された農地

は義務を果たしていないのに農地として残り続ける。矛盾が渦巻く日本の農業政策、日本の

農地は誰が守るものだろうか。


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