最終日は自由行動になっておりオプショナル・ツアーでナポリまで南下する人と、市内に
残る人に分かれ夕方に集合して、帰国の途に就く。ナポリの治安は非常に悪く下車して
も直ぐにバスに戻るような観光になると添乗員の説明があり、余りお勧めできないとのこと
だった。行ってみたかったが観光もそこそこなのに片道6~7時間かけて行くこともないと諦
め、市内をうろつくことにした。
ツアーのガイドは現地ガイドが付くので、添乗員はフリーになるからローマの街を案内して
もいい、と申し出があり願ったり叶ったりで参加することにした。時間はたっぷりあるというこ
とで朝はゆっくりとした出発。ヨーロッパスタイルの朝食は質素。パン、コーヒーまたは紅茶
にハムまたはソーセージのようなものがつくだけで、アメリカのようなゴージャスなものはお
目にかかれなかった。このツアーで一緒だった年配の老夫婦、頻繁に海外旅行を楽しん
でいるが、朝食だけは和食と決めていると、部屋で即席おにぎり、梅干しまたは味噌汁を
食べていた。
朝食を頂き帰国の準備をしてローマ市内ぶらり旅へと出かけた。繁華街にはブランド店が
ずらりと並ぶが、全く縁のない店なので素通りしたいが、そこはグループ行動だから仕方な
しのお付き合いも。こうしたブランド店の中には入口にドアマンがおり、入ろうとすると『何を
お求めですか』と問う『見るだけ』とか『見て決める』と答えると『お決めになってからご来店く
ださい』と断られる処がある。セレブご用達の特別な店だ。
スペイン広場には若いカップル、年配のカップルと色々な人たちが階段に腰かけ通る人を
眺めたり、お喋りにふけったり、長閑な雰囲気の中で時を過ごす。市内を徒歩で観光する、
やはり行ける所は限られてしまうから、店に入ったり喫茶店でお茶を飲んだりして時間を過
ごすことにしかならない。夕方に土産物屋が集まっている処で解散となり、再集合後に空港
に向かう。パカパカさんたちと連れ立ってお土産物屋をハシゴして土産を買い漁り、イタリア
最後の晩餐はBAR、バールと言われる簡易食事店にした。簡単な料理が手早く出てくるの
で現地の人は小腹が空いたらバールで済ませる。BARは日本ではバーだからお酒を飲む
処になるから、言葉だけだとちょっと抵抗を感じてしまう。夕方から沢山時間があると思って
いたら、あっという間に時間が過ぎ、最後は集合場所まで小走りになり、やっとの思いで間
に合った。帰りはローマ空港から帰国になったが、幸いなことに隣の席は空きだったので横
になれ、それだけでも大分楽な帰国の飛行だった。
12月16日にローマを後にしたのだが、日本ではもうすぐクリスマスと街中は勿論のこと、どこ
でもクリスマス・イルミネーションやツリーでギンギラ銀なのに、本場イタリアは誠に静かで質
素な・・・否、これが本場の本当のクリスマスの在り方のようだ。