割と近所に、フーディアムという食品スーパーが開店した。
ウィキペディア(Wikipedia)によると、フーディアム(ふーでぃあむ、英文名称:foodium)とは、大手スーパーのダイエーが試験的に展開するコンビニエンスストアと食品スーパーマーケットを融合させた新業態の店舗らしい。なるほど、大規模食品スーパーだけど、24時間営業。
我が最寄り駅の食品スーパーは、どこも営業時間が非常に長くて、駅に直結の東急ストアは24時間営業だし、その近くのマルエツの閉店時間は(たぶん)夜11時。イトーヨーカドーはどうだっけな。時間的激戦区と化しているこのエリア。その中に出店した、このスーパーで、特に興味深かったのは、ハード系食事パンを多く置いていている、ショップインベーカリーショップがあることだ。このショップも、24時間営業なのだろうか。
店名を「ラ・セゾン・デ・パン」という。
とてもよく考えられた店舗設計、デザイン、品揃え、オペレーション。あー、整っているなぁ。
パンもの味も、平均的に美味しい。どういう背景を持つショップなんだろうか。
もしかしたら、一人のパン職人が始めた小さな店がこういう形に発展したのかもしれない。
しかし、背景にメーカーの匂いもする。
ベーカリーショップのオペレーション技術は、この10数年で非常に進化している。
通常の人は、冷凍生地で作った、クラシックタイプのバゲットとそうでないものの違いは、
たぶん、わからないだろう。
こういうベーカリーショップはとても便利で、貴重な存在だ。
でも、このようなベーカリーショップの企画、開発、運営に、かつて関わった者として、
そして、手ごね長時間発酵の手づくりパンを作る喜びも知っているものとしては、
とても、複雑な気持ちがする。
自分の納得出来るパンを本当にきちんと毎日作り、お客様に提供することは、とても難しいことだ。
街の小さなスペースで、自分が美味しいと思うパン、そして、食べて欲しいと思うパンを、
自分の24時間をフルに使って、納得するパン作りをしているベーカリー職人さんがやっている
パン屋さんがわが街でも増えている。
それも、時間のかかるハード系のパンを、あえて(?)、メイン商品にすえた店が。
そんな店を応援する、「良き消費者」になり、そして、そうあり続けたいと、
私は、近頃、強く思うようになってきた。