2005年のコラボレーション 団鬼六×小野塚カホリ=『美少年』

団鬼六の『美少年』は1999年に刊行されました。
あらゆる女性よりも女性的な、日本舞踊宗家御曹司である菊雄に思いを寄せられる大学生の自分。彼との愛は育ちますが、それを快く思わない取り巻きがいて、菊雄は彼らに....。
こう書くと団作品のパターンとなりますが、この作品は私小説と言ってもよいものです。
これを2005年に小野塚カホリさんが劇画としています。
ただ残念ですが、絶版で古書でしか入手できません。


fiorettoさんがamzonに書かれた書評が素晴らしいので引用させていただきます。
作画者の手腕は非常にすばらしいものがありますが、菊雄の人生のあまりの救いのなさに
この物語独特の世界観にひたって読む、ということはできませんでした。
BLというジャンルに入れられるものではまったくないので、これから読まれる方は
気をつけたほうが良いと思います。
菊雄に惹かれつつも心中揺れながらずるずるとつきあいを続ける「私」、
「私」の気持ちのあやふやさとは裏腹に行き先を見つけた一途な気持ちをぶつけてくる菊雄、
そしてそんな二人を冷酷な眼で見つつ、制裁という名のもとに
残虐な欲望を形にするチャンスを虎視眈々と狙う第三者が
三つ巴になって負のスパイラルを描きながら最後のカタストロフィに向かいます。
出所amazon（見出し画像）

追伸　団鬼六氏の小説『美少年』は新潮文庫版がkindleで読めます。