こぐま経済研究所ブログ

やさしく金融情報をお伝えします

投信運用の海外委託 急増 外債などで専門技能活用

2010-04-20 18:00:46 | 日記
投資信託会社の間で、運用を外国の会社にゆだねる動きが急速に広がっている。海外債券などに投資する商品が人気を集める中、専門的な技能を持つ会社に頼った方が効率的との判断が背景にある。ただ、委託先へのチェックが不十分な例も一部にあると指摘される他、運用機能の空洞化を懸念する声も聞かれる。

欧米などの会社を活用する動きは09年に拍車がかかった。米国の高利回り社債など専門的な能力が求められる資産でお金を増やす商品が普及したためだ。投信コンサルティング会社の三菱アセットブレインズによると、05年以降に運用を始めた国債債券型投信への資金純流入額を調べたところ、09年中はその9割が運用を「外部委託」した商品に向かった。08年は6割だった。

日経 20日朝刊

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餅屋は餅屋ではないが、海外の運用は海外の運用会社に任せる動きが強まっています。新興国の債券・株式や米国など低金利国のハイイールド債の見極めを国内の運用会社が直接行うには、コストとリスクがかかります。そのため、海外のこれらの分野に精通した運用機関に依頼して、ファンドを組成する形式が増えています。投信協会の月次概況で見ると、複数のファンドに投資するファンドオブファンズへの資金流入は1年以上続いています。新規設定のファンドの中で、ファンドオブファンズが多く設定されているとも受け取れます。海外の運用機関を使うことのデメリットとして、国内運用機関における海外資産運用能力の低下や、委託先の運用評価の不透明さ、コスト増などが考えられます。しかしこれらのリスクを踏まえても、昨年の流入状況を見ると、マネーはハイリターンの投信へ向かうようです。

投資信託の分配金利回り

2010-04-19 23:44:21 | 日記
株式の指標に、配当利回りというものがあります。これは配当金額を株価で割ったものです。投資信託には、配当はなく、分配金が決算で支払われますが、最近、「分配金利回り」という指標が、金融機関のホームページなどで、よく見かけます。

分配金利回りは、1年間の分配金累計額の、同期間の純資産平均に占める割合のことを言います。平たく言うと、集めて運用したお金からどの程度が分配金に回ったかを示す数値です。ここ数年は毎月決算型ファンドが増え、分配金も毎月もらえるようになりました。でも、よく考えてみると、たくさん分配しているということは、その分、純資産も減っていることになります。運用に支障のない程度での分配であればよいのですが、分配金の支払いのために純資産を食いつぶしては意味がありません。

この分配金利回りが、高いからいいファンドとも言えず、個人的には、逆に高いファンドは危険度(リスク)が大きいファンドではないかと思ってしまいます。1年間の運用で純資産がどの程度増加したのか、増分に見合う分配金なのか、正しく評価する必要があると思います。

分配金利回りの人気が高くなるということは、購入判断を分配金に頼っている投資家が多いのではないでしょうか。

kk

日本企業の株式中国で年内にも売買

2010-04-18 20:30:16 | 日記
天津 技術力へ投資熱高く

中国で年内にも日本企業の株式が売買される見通しとなった。中国政府は外国企業の中国での上場を許可する方針を示している。中国の国有資産などの公開入札業務を手掛ける国信招標集団(北京市)はこのほど日本の投資会社から上場意向を持つ日本企業の紹介を受ける提携で基本合意。天津市の取引所での日本企業の株式売買を目指す。

中国での株式売買が活発になれば日本企業の資金調達や、中国企業による日本企業の買収に役立つとみられる。資金が豊富な中国企業は日本の高い技術に強い関心を示しており、自動車大手の比亜迪(BYD、広東省)が金型大手オギハラの工場を買収したばかり。

日経 17日朝刊
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中国の証券市場で、日本企業の株式が上場される見通しです。まさしく、中国人の一般投資家に日本企業が評価される時代になってきました。今まで、世界の工場、世界のマーケットとして、物作りの場とその需要を提供してくれている中国ですが、中国企業の資金力は次第に高まり、今や日本企業を買収するまでに至っています。今度は世界のM&Aが中国を拠点に行われることになるのでしょうか。中国市場への上場で、日本企業も中国で資金を集めやすくなりますね。今の中国は、とにかく外の進んだ技術を取り入れることに注力しています。いわゆる「模倣」状態です。本来であれば、買収よりも自社独自の技術を高めることの方が重要だと思います。証券市場の有効活用を期待します。

NY株が反落、125ドル安 7日ぶり ゴールドマン訴追影響

2010-04-17 23:31:21 | 日記
16日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均が7日ぶりに大幅反落した。米証券取引委員会(SEC)が米金融大手ゴールドマン・サックスを証券詐欺の疑いで訴追すると発表。金融規制が強化されるとの見方が広がり、金融株を中心に売りが出た。ニューヨーク外国為替市場ではドルが売られ、円相場は一時91円だ後半と3月25日以来の円高・ドル安水準を付けた。

ダウ平均の終値は前日比125ドル91セント安の1万1018ドル66セント。下げ幅は2月4比以来の大きさになった。ゴールドマンの株価は約13%安と急落し、金融株全体に売りが波及したニューヨーク証券取引所では上場銘柄の約8割が値下がりした。

日経 17日夕刊
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好調な米株市場に水を差すような発表がありました。SECがゴールドマンを証券詐欺で訴追すると発表したのです。サブプライムローンに端を発した金融危機は、証券化商品の組成・販売が問題をより複雑化しました。今回の訴追は、証券化商品を顧客に正しく説明しないで、ゴールドマンは販売したのではないか?というものです。業界No1のゴールドマンにSECの調査が入るとなると米国金融業界にもその影響は少なからずあるはずです。インサーダー疑惑関連で辞意を表明していた同社の幹部もいるようです。せっかく、ここまで株価も戻してきており、企業の業績はかなり回復してきました。なんとかこのまま回復基調を続けてもらいたいところです。

6大銀 最終益1兆円超 前期黒字転換 ピークには遠く

2010-04-16 18:28:19 | 日記
六大銀行グループの2010年3月期の連結最終損益は合計で1兆円強の黒字となったもようだ。金融危機の影響で約1兆1800億円の赤字となった09年3月期から黒字に転換するが、黒字の主因は不良債権処理コストの減少。利益水準は直近ピークの06年3月期の約3兆1200億円を大幅に下回っており、収益力の向上が課題となる。

日経 16日朝刊
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国内の銀行も、2010年度は黒字を確保できそうです。でも、本業は、企業の資金需要後退から回復していません。記事にもありますが、不良債権コストの減少で収益をアップさせた形となっています。JALの不良債権についてはすでに貸倒引当金を計上していたので、今期の成績に影響がなかったようです。アメリカの銀行もリテール向けはまだ収益改善しておらず、投資銀行業務で収益改善しているのが実情。でも、お金はあるところにはあるのですから、リテールにもお金が回ってくるような経済対策がないものか考えたいですね。