隆々ブログ

小平市議会議員 立花隆一の活動報告です。

大震災で議員の姿が見えない。

2011-08-16 | 議会改革

7月24日河北新報の記事です。大震災などの有事の時、議会の機能、議会の働きを明確にするべきとの指摘があります。災害にあった地域で何が必要か、何を優先でやるべきか、などを一番、知悉している議員が災害復興に取り組むことが重要です。そして、災害時の議会としての行動原則を条例などに規定することも必要です。

(引用)「地方議員の姿が見えない」。東日本大震災からの復旧・復興策を議論していたら、ある知事経験者がそんな感想を漏らした。(略) 議員は民意を映す鏡だ。執行機関(行政)の目が行き届かない地域課題をすくい上げ、政策提言していく。危急存亡のときであるからこそ住民の声に耳を傾け、復興計画に魂を込める役割が求められている。

 大震災からわずか1カ月半後、宮古市議会が取った行動は素早かった。復興対策特別委員会の委員12人が市職員を伴って北海道奥尻町に入った。(略) 高台移転の手法や避難路の確保、水産業と観光業の再興―などについて精力的に聴取し、その結果を宮古市の復興計画に反映させている。 特別委の田中尚委員長が感心したのは高台までの避難路の広さ。「宮古は道路が狭いので、参考になった」と振り返る。

 震災は地方議員の生活基盤をも容赦なく破壊した。宮古市議会では前川昌登議長ら6人が被災、避難所から議場に通う議員も少なくない。(略) 一方で被災者の窮状を肌で感じ取ることができるからこそ、その代弁者として議員には大いに職責を果たしてほしい。避難所や仮設住宅の生活環境向上といった「世話役」的な仕事はもちろんのことだが、政策立案や政策審議により多くの力を割くべきだ。

 なぜなら、地域のシンクタンクである役場はきょう、あすの被災者支援に追われ、どこもマンパワー不足だ。ここは首長と議会という「二元代表制」の特徴を生かして、双方が復興策をめぐって切磋琢磨(せっさたくま)する場面だ。特に議員は性別や地域別、職業別など多様な利害を代表しており、首長の独断専行をチェックする役割も担う。

 そして、政争に明け暮れる永田町の尻をたたき、危機感を共有してもらうことだ。宮城県議会と県市議会議長会、県町村議会議長会は6月末、各政党本部や省庁を回り、集団要請活動を展開した。
 国と地方が対等な関係であるなら、議員の身分にも上下などないはずだ。臆することはない。現場をよく知る地方議員で国会を包囲したらいい。
 宮古市議会は9月議会までに、議会としての中間提言をまとめるという。「重要なのは議会が単なる頼まれ仕事をやめて、どう独自性を発揮するかだ」(田中委員長)。大震災は地方議員の力量をも問うている。(終了)