5人目は美鳩夏乃でした!
美鳩夏乃 キャラクター紹介
夏乃は柾鷹の幼馴染。地元の大領主である美鳩家のひとり娘として大切に育てられている正真正銘のお嬢様。柾鷹とは夏乃が救済院に訪れたときに知り合いました。それからずっと柾鷹に対して一途に想い続けています。
いつも明るく元気一杯でとても素直で自分の笑顔で皆を笑顔に出来る女の子。そのため、柾鷹や七緒は彼女のそんな笑顔に救われており、柾鷹は彼女を必要とし、七緒は彼女に憧れています。ただし、成績はあまり良くなく、その部分に関しては柾鷹には呆れられています。
毎回いろんな不幸に見舞われていますが、いつも大事には至らず、それゆえに夏乃は“守護天使様がついている”と言ってます。その守護天使とは柾鷹のことで、彼女もそれに気付いている節があります。
お金持ちの娘である故の宿命か、いつもお見合いの話が多く、柾鷹以外と結婚するつもりがない夏乃はその度に屋敷を抜け出しており、そんな彼女の行動が美鳩家にとっては大きな悩みになっています。
夏乃の右の手首にはいつもリストバンドがしてありますが・・・。
美鳩夏乃編 攻略情報
夏乃→夏乃→夏乃→夏乃の方を見る
美鳩夏乃編 あらすじ
夏乃編は途中まで七緒編と共通のシナリオとなるため【七緒編参照】。
夏乃と七緒、どっちを選ぶか・・・最終的に柾鷹は夏乃を選びます。その日のお泊り会は中止となりましたが、夏乃は浮かれていました。そこへ莉玖が珍しく姿を現し忠告します。お前が柾鷹の“地上の鎖”になることは難しいと。そして、柳蔵は自分は助かると言っていたがあれは嘘だと。残り時間が短い、お前が何とかしろと言う莉玖に対し、夏乃は本当になかなか進めずにいたのは(柾鷹ではなく)私の方なんだと言います。けど、あの日のことが無駄にならないように頑張ってみると言って遠く空を見上げるのでした。
柾鷹は夏乃と付き合うことにしましたが、問題は残されていました。それは美鳩家のことでした。地元の大地主である美鳩家の令嬢とそこに仕えている家の息子・・・身分違いの恋であるが故にいつか立ちはだかる壁になる考えた柾鷹は、美鳩家との対立を避けるため、愁やアーデルハイトに協力してもらい、美鳩家について調べてもらうことにしました。美鳩家は特に隠しているような情報はなく意外とあっさりと色々な情報が入手できましたが、1人だけ気を付けなければならない人物がいました。それは美鳩深春。夏乃の父親の妹に当たる人物ですが、実質美鳩家を牛耳っている女主人でした。美鳩家には柳蔵の弟子たちが多くいますが、そのほとんどが深春の配下にいるほどで、彼女の情報だけ入手することは困難でした。
夏乃とはデートをするもの、万が一美鳩家に認められず失敗したときのことを考えてしまい一歩先に進むことを躊躇っていた柾鷹。その日は夏乃が食事会に行くから会えないということで、買い物に出かけていました。商店街に行くと七緒と会ったものの、彼女の方は気まずくしていました。七緒はしばらくこのまま距離を置きたいと言ったため、柾鷹もそうすることに。そのとき、夏乃からSOSのメッセージが届きます。七緒と別れ急いで家に帰って夏乃に聞くと、今回行われようとしていたのは、食事会ではなくドレス製作のための採寸だったのです。以前から言われながらその度に七緒の家に逃げていた社交界デビューのためのドレスの製作が夏乃を採寸することもなく過去のデータを元に作られていたのでした。社交界デビューは夏乃の婿探しを兼ねているため、夏乃はずっと避けていましたが、柾鷹はそこまで進んでいるならもう受けるしかないと言います。しかし、柾鷹が水面下で動いていて美鳩家に認めてもらえるように準備していると言うと夏乃は大喜びします。
その後、柾鷹が失敗したときのことを考えて今まで遠慮していたことに気付いていた夏乃は自ら柾鷹の唇にキスをしますが、それから数時間、夏乃は柾鷹にくっ付きっぱなしでそろそろ帰る時間になっていました。夏乃は帰る前にもう1度キスをしたいと言いましたが、未だ柾鷹が遠慮している雰囲気だったことから、夏乃は例え柾鷹くんが準備していたとしても失敗することはあると思う、それでも私の気持ちは変わらないから、柾鷹くんも覚悟を見せてほしいと初めて不安げな目で柾鷹を見ます。すると柾鷹は、これまで色々小難しく考えていたことも忘れて夏乃を夢中で抱くのでした。しかし、柾鷹も夏乃も油断していました。ずっと夏乃を監視していた人物がいたのです。
美鳩深春。彼女に2人がキスしていたところを見られてしまったことで、夏乃との連絡が一切途絶えてしまいます。浮かれていた油断から、柾鷹たちが動く前に先手を打たれてしまったのです。柾鷹は夏乃が婚約者探しなどしないことを約束していたものの、このままにしておくわけにはいかないと、アーデルハイト達に協力してもらうことにします。しかし、アーデルハイトの方で調べてもらっていた調査員が深春に補足されてしまったため、ベルクシュトラーセ側の協力が得られなくなってしまいます。元々ベルクシュトラーセの王族の嫁探しという名目で美鳩家を調査していたのが裏目に出てしまったのです。それは言い訳こそ出来たものの、それならばと舞踏会への招待状を送られてきました。深春は夏乃を外国に嫁がせることは絶対にさせないため、その招待状はベルクシュトラーセに対する配慮でしたが、同時にこれ以上調査を続けていたらそれがただの口実だったことを暴露することになるからでした。深春の網に引っ掛かったのは、旦那の方を調べ上げたときでした。旦那の方のガードは緩く愛人のことまで判明しましたが、そっちを調べてるときに深春の網にかかってしまったのです。つまり、深春は夫の浮気に気付いていたということになり、ますます手強い印象を受けるのでした。
アーデルハイトにはもう1つ依頼をしており、そっちは引き続き進めることにしましたが、その後、こはると愁から夏乃が夏休みまで学園を休むという連絡を受けたと報告されます。最悪夏乃が転校させられる可能性はある・・・一刻も早く夏乃と連絡を取るべきだけど、柾鷹はもちろんアーデルハイトもこはねも愁もマークされている可能性があることから、直接本人に聞くには夏乃の親友で何度も美鳩家に出入りのある七緒の協力が必要でした。七緒を振ったこともあり、やや気まずいと思ったものの、悠長なことはしていられないことから、柾鷹は七緒に相談することにします。しかし、七緒に話をしようとしたその時、夏乃が普通に登校してきて驚きます。夏乃曰くスマホを取り上げられて学校も休めと言われたものの、担任から今日だけは学校に来るように強く言われ登校を許されたと話します。何故担任がそこまで強く言ったのか・・・その理由はすぐ判明します。この日はテストの答案が返ってくる日で、夏乃の答案用紙は名前が書かれてなくて0点だったのです。担任は無記名だった人は0点にするという方針を説明したはずで、そのことを夏乃に直接指導したかったこと、そして何より夏乃は全部で3つも赤点があるから明日以降も覚悟するようにと皆の前で話します。こうして、夏乃は追試のために学園に来ることになったのでした。
放課後、教会に集まり、夏乃から事情を聞くことにします。元々美鳩家では夏休みに夏乃を社交界デビューさせるつもりでしたが、今回の柾鷹との一件により、それを早める方針に出て終業式の翌日に舞踏会を開くことになりました。そして、夏乃はそれまでの間は外に出ないよう厳しい監視下に置かれていたのです。かなり強引な手ではありましたが、夏乃も柾鷹との関係を内緒にしていたことから人のことが言えず、黙って従っていました。柾鷹は最初は慎重に事を運ぶつもりでしたが、ここまでの事態になった以上、説明責任を果たすため夏乃の家に行って話をすることに決めます。もちろん、家に入れてもらえない可能性はありましたが、例え門前払いでも誠意は示したことになり、会えなかったのだから仕方ないという名目も立つという算段でした。こっちにも落ち度はあるからそれを認めた上で理解を得るために説明をするというのが正攻法のはずだと。
その後、夏乃と2人で美鳩家に向かいますが、門前で予想外のことが起こります。深春が待っていたのです。深春は夏乃に兄さんたちと話を付けてきなさいと言って家に入らせると、今度は柾鷹の方を向き、屋敷の庭園の方へと案内します。その途中、柾鷹は2度殺気を感じたものの、無視をしてそのまま深春と話を続けます。眼鏡を取った状態で。そして、連れてこられたのはダンスホールでした。今度、夏乃がデビューする予定の会場と説明した上で、先程殺気を“3回”向けられたはずと深春に言われます。柾鷹はその挑発には乗らず、ダンスホールの中に気配を消している3人の存在を言い当て、さらに監視カメラの場所まで全て言い当てます。後ろから感じた殺気は全て囮でした。さすがの深春も柾鷹の言葉に驚き、そこまで気付いて何故付いてきたの?と柾鷹に問います。柾鷹はその理由に、深春がここに案内する前に「相手のことを知りもしないのに賛成も反対もない」と言っていたことと、襲撃者の目的が自分ではなく深春の可能性があったからその場合は守らなくてはいけないからという2点を挙げると、深春は突然「合格」と言って喜び、斉須柳蔵の跡を継ぎなさいと言います。相手の欲しがるものを見抜く才能があるカリスマ性。将来のことについてまだ考えている柾鷹に魅力的と思わせるほどの提案をした深春に、柾鷹はただ驚くしかありませんでした。その後、配下の者を下がらせ、2人きりになったところで、利成の話を持ち出します。かつて、深春が利成を自分のものにしようとしたこと。そして、柾鷹が利成に対して罪悪感を持っていたこと。深春は夏乃を女当主にするつもりでいて、その夏乃に仕えれば彼女を一生守れると言い、柾鷹に柳蔵の跡を継がせ、利成の身代わりにしようとしていました。
それでも尚、柾鷹は夏乃を必要としていたことから断ると、深春は夏乃の話を始めます。夏乃は強い子でどんなことがあっても笑顔でいられる。美鳩家で1番強い子、将来言い女当主になれる。深春の夏乃に対する評価は相当なものでした。そして、夏乃は強いから例え柾鷹が死んだとしてもいつか立ち直って生きていける。しかし、柾鷹は夏乃がいなくなったら生きていけない。だから夏乃を必要としている。だが、果たして柾鷹なしでも生きていける強さを持つ夏乃に柾鷹は必要なのだろうかと。それでもなお、夏乃を求めるというならきっと試されると柾鷹に言います。そして、その予言通り、試練はすぐにやってきます。舞踏会で着るドレスを身にまとった夏乃がやってきて、父親から交換条件を出されたと話します。それは、舞踏会当日のパーティ前の軽い食事をとるときに柾鷹のテーブルマナーを見るというものでした。夏乃の両親は未だ柾鷹が初めて来たときのテーブルマナーの悪さを覚えていたのです。
夏乃は舞踏会まで厳しい監視下に置かれることは変わらないものの、これまで通り学園には通えることになりましたが、柾鷹の方はテーブルマナーだけでなく、それに合格すれば夏乃とダンスすることになることから、社交ダンスの練習もすることになったのでした。ただ、彼氏と引き離すために娘を家に閉じこめることになった事態が、急に試験で合格すれば認めるという方針に変わったことに柾鷹は疑問を感じていましたが・・・。
夏乃と恋人同士になってから時々忘れていた幼い頃の記憶を少しずつ夢の中で思い出していた柾鷹。今度の夢は、夏乃と駆け落ちしたときの夢でした。柾鷹がテーブルマナーの悪さで美鳩家から追い出された後、夏乃は柳蔵に頼んでこっそり救済院に来ていました。そこで、家のことで不満を言う夏乃に駆け落ちを提案します。そして、2人が向かった先は、かつて柾鷹が住んでいたマンションでした。幸い柾鷹の部屋は事件の影響で誰も住んでおらず空いていて、2人はそれから毎日のように通うようになります。そんなある日、その日も部屋で一緒に過ごしますが、夏乃は毎日家を出ていることを叱られて落ち込んでいました。好きなことを何もさせてもらえない、好きでもない人と結婚させられる・・・そう言って泣く夏乃を慰めるため、柾鷹は夏乃と結婚する約束をしていたのでした。
夏乃とこれからも一緒にいるため、こはねやアーデルハイト、そして未だわだかまりの残る七緒にまで協力してもらい、試験に向けての特訓が始まります。夏乃との時間は減っていったものの、舞踏会までの辛抱だと思い、柾鷹は頑張り続けます。そして、いよいよ舞踏会の日を迎えます。舞踏会前の食事会でのテーブルマナー試験では意地悪なことをされたものの、柾鷹がほぼ完ぺきにやりこなします。夏乃はこれなら合格できると思いましたが、現実は甘くありませんでした。夏乃と立会人の愁以外、誰も手を挙げなかったのです。夏乃は説明を求めますが、深春はこれが大人の解決方法・・・つまり美鳩家には深春に逆らえる人間がいなかったため、多数派工作により誰も手を挙げなかったのです。柾鷹は正攻法が間違っていたことを認め、最後に1つだけお願いをします。それは最後に夏乃とダンスをさせてほしいと。その後、2人きりでダンスをしますが、夏乃は柾鷹が上手になっているのは七緒と練習したとすぐ見抜きます。夏乃と七緒も未だ仲直り出来ていませんでしたが、それは自分から声をかけたら、真面目な七緒は応援しなくてはいけないと無理をさせてしまうことから、彼女から声をかけてくれるのを待っていたからでした。その後、2人は出会った頃からの思い出話に花を咲かせますが、その中で夏乃は柾鷹が守護天使であることに気付いていたことを話します。でも、言ってしまったら柾鷹が引いてしまう可能性があったためずっと言わずにいました。けど、ケジメとしてお礼を言い、守護天使に頼らず自分が頑張るべきだったと話します。すると、柾鷹は駆け落ちしたマンションで結婚の約束したことを夏乃に話し、彼女の下を去って行くのでした。
舞踏会が始まるまでの間、自室に閉じこめられていた夏乃。そこへ深春がやってきます。夏乃は警戒心を露わにしますが、深春は自分の学生時代の頃、とある学生バンドのギターの追っかけをしていたと言います。結局彼女はそのギターの人に告白することはなく、やがてお見合いで好きでもない人と結婚。そして、夫の浮気が発覚します。しかし、夫がどうしても深春を好きになれないと言ったことに共感した深春はそれからも仮面夫婦を続けました。それから深春は駅前で再び学生時代に好きだったギターの人を見かけます。そして、それから彼女は密かに支援しますが、結局自分から声をかけることはありませんでした。彼女は既に恋を諦めていたのです。夏乃はそれを聞いて、その人が誰なのかに気付きますが、深春はそれ以上語ることはなく、使用人に夏乃を任せ、部屋を出ていきます。その使用人は以前柾鷹に殺気を向けた人物でしたが、深春が去ってすぐ、その使用人の手引きによりアーデルハイトと七緒が部屋に入ってきます。そう、深春が美鳩家のガード全てを把握しているわけではないという隙を突き、使用人の全ての経歴を調べ上げ、万が一のときのために味方に引き込めそうな人物を探し当て、協力してもらう・・・それが柾鷹がアーデルハイトにお願いしていたもう1つのことでした。
しかし、2人が迎えに来ても、夏乃はすぐ立ち上がりませんでした。夏乃は以前自分と七緒どちらにするか柾鷹に決めてもらったときも、あのときはそれが良いと思ってしたけど、本当はただ七緒を傷付けただけなんじゃないかと思っていました。今も柾鷹は自分じゃないほうが幸せになれるんじゃないか・・・柾鷹も自分の幸せを選べるはずだから。ずっと柾鷹に頼りっきりだったから、もしかすると自分の「好き」という気持ちだけ押し付けていたかもしれない。このまま2度目の駆け落ちをしてもまた同じ結末になってしまうのではないかと不安を漏らすと、七緒はそんなのどっちが良いかなんて分からない、きっと一生分からないと伝えます。そして、夏乃が私も柾鷹のことが好きということに気付かせてくれなかったらずっと眺めることしか出来なかった、そうしたら後悔し続けたかもしれない・・・それでも友達で居続けられたかは分からない。けど、今は戦友みたいに思ってると。七緒は恋には負けたけど後悔してるんじゃなくまだまだだってことを思い知らされたことが悔しい、それを受け入れられなかっただけと話します。ずっと自分にとって憧れの存在だった夏乃。その彼女もまた自分と同じまだまだだったんだと。すると、夏乃は立ち上がり、2度も逃げるわけにもいかないと言い、七緒も夏乃のやろうとしていることに協力することにしたのでした。
舞踏会が開かれた頃、柾鷹はアーデルハイトのホテルの一室で休んでいました。柾鷹たちの計画は、夏乃に変装した七緒が時間を稼いでいる間に駆け落ちするというもの。これからどうするかを考えていた柾鷹でしたが、緊張の連続で疲れていたのか眠ってしまいます。そして、夢の中で封印された記憶がまた解放されます。それは、夏乃と駆け落ちしたマンションに柾鷹が向かっている最中でした。駅前の路上で歌っている青年の前におひねりを入れる空き缶が置いてあり、その中にはお札が入っていました。夏乃と一緒にいるにはお金が必要だったことから、柾鷹はそれを見て青年が歌っている間にそれを盗んだのです。その後、夏乃の下へ向かいますが、夏乃はそのお金が盗んだものだと知ると返しに行こうと言い出します。そして、柾鷹から空き缶を奪い返してくると言って部屋から出たそのとき、地震が発生。部屋は電気が点かないためロウソクで明かりを確保していたのが裏目に出てしまい、ロウソクが全て倒れて一気に部屋を火が覆い尽くします。周囲が燃える中、自分が死ぬのだと思った柾鷹は、両親にも他の大人たちにも、そして夏乃にまで否定されて、全てを諦めていました。もうこれで良いのだと。そして、最後に夏乃に空き缶を返して謝ってきてほしいとお願いします。夏乃は柾鷹を助けようとしたものの、火は夏乃ではどうすることも出来ないくらい大きくなっていました(このとき夏乃の手首を火傷して今でもその跡が残っている)。夏乃は助けを呼びに外へ向かいます。そして、柾鷹が死を覚悟したそのとき、背中の壁が崩れ落ち何かが柾鷹にしなだれかかってきました。それはミイラ化した赤ん坊でした。それが本物の斉須柾鷹の遺体でした。生きることを諦めようとしていた柾鷹はそれを見て初めて恐怖します。「死」というものを見せつけられたその時、初めて柾鷹は生きたいと願ったのです。そこに助けにやってきたのが駅前で歌っていた青年・斉須利成でした。
目を覚ますと柾鷹は泣いていて、そんな柾鷹を私服に着替えた夏乃が見ていました。柾鷹は火事のことを全て思い出したと夏乃に話します。そして、自分が利成を殺したことも。しかし、夏乃はそれを否定します。あのとき柾鷹が炎の中に残ろうとしたのは夏乃が柾鷹を否定したから。柾鷹は救いを求めていたのに、夏乃は「盗みはいけないこと」と正論を押し付けることをしてしまったため、柾鷹を傷付けてしまったから。そして、本当は自分で助けたかったのに、炎が怖くて柾鷹を追ってやってきた利成に頼ってしまった。本当は2人とも助かる方法があるはずなのにそれが出来なかったと。彼女もまた柾鷹と同じく利成を殺してしまったと罪を背負っていたのです。だから私じゃないほうが幸せになれるんじゃないか、私には柾鷹くんを救えないんじゃないか・・・そう言って涙を流す夏乃を柾鷹は抱きしめます。記憶を失った柾鷹をずっと追いかけてきて、柾鷹の言葉に傷ついたことがあっても側にいて、ずっと夏乃に助けられてきたと伝えます。すると夏乃は今度はどこまでもついていくからねと笑顔を見せるのでした。
翌朝、事態を察した莉玖が柾鷹を訪ねてきます。彼女から現状を概ね聞いてホテル周辺には美鳩の手の者がいないことを知った柾鷹は、一旦莉玖に夏乃を任せ、外に出ます。そして、筋を通すため公衆電話から柳蔵に迷惑をかけたことを謝ります。盗聴されているのが分かっていたため、慎重に言葉を選んだ柾鷹ですが、柳蔵から試験の件で、ある重要なヒントを貰います。あの場で解決できた唯一の方法。それは、多数派工作で勝てる方法。最大派閥を味方に付けること。つまり、“美鳩深春を味方につけること”でした。柾鷹は今更ながらそれに気付き頭を抱えます。深春はこれまでずっと柾鷹を敵とは認識しておらず、むしろ自分の側に引き込もうとしていました。その証拠があの試験の内容でした。ただ、深春をただ味方に付けるだけでは相手の軍門に下ってしまうだけのため、自分たちが上位に立つ方法を考えなくてはいけませんでした。それでも駆け落ちせずとも夏乃と一緒にいられる可能性が出てきたことが分かった柾鷹は急いで夏乃のところへ戻ります。そして、夏乃に結婚しようと言い、夏乃もそれを受け入れ、柾鷹の考えた作戦を信じることにします。
学園の教会に集まった柾鷹たち。そこで2人は結婚式を挙げようとしていました。しかし、当然ながら七緒たちは後を付けられていたため、途中で邪魔が入ります。深春は後ろに控えたままで傍観者でいるつもりのようでしたが、美鳩家の人たちは両親を含め結婚に反対します。すると、柾鷹は再び多数決で決めようと提案。美鳩家の人たちは柾鷹に地位も名誉もないことを理由に反対しますが、アーデルハイトが自分を助けてくれたお礼として騎士の称号を授けることを、こはねが教会へ貢献してくれた者として法皇と拝謁する候補に挙がっていることをそれぞれ宣言。すると、美鳩家の人たちは急に弱気な態度になりますが、そこへ深春が「美鳩の土地には美鳩のルールがある」と言って前に出てきます。柾鷹はこの瞬間を待っていました。柾鷹は深春に対し、自分たちの目的は夏乃を女主人にすることだと宣言します。それは深春の願っていたことであり、現当主も含め他の親族は反対していたことでもありました。彼女が以前柾鷹に柳蔵の跡を継がせようとしたのもそれが目的でした。しかし、さすがに深春は一筋縄ではきませんでした。もしも、自分が夏乃の権威だけを欲していたとしたら、夏乃は邪魔な存在になる。美鳩の土地から追い出し徹底的に追い詰めるだろう、それだけの覚悟があるかと言います。夏乃は聖書を例えに出し、楽園を追い出されることになったとしても、いつか約束の地へと辿り着ければ私は満足と穢れのない笑顔を見せます。そして、柾鷹もそれを受けて美鳩家の人たちに頭を下げます。自分が何者になれるか自分自身を試したい、だから長い目で見てほしいと。すると、夏乃を始め七緒たちまで柾鷹と一緒に頭を下げます。
そんな柾鷹たちの態度を見た深春は予め連れてきた柳蔵を呼び出し、柾鷹のことを何者かと問います。すると、柳蔵は「自慢の息子です」と答えます。ずっと美鳩家に仕え、そして火事のとき長男の利成が夏乃を助けたことになっていたこともあり、柳蔵の言葉は美鳩家にとっては軽いものではなく、柳蔵の言葉を受けて、深春は夏乃の側に行き、夏乃が自分の派閥を持つというのなら私も夏乃派ということになると味方になります。深春が夏乃の味方になったことは美鳩家にとっては大きなことで、両親もついに折れ、2人のことを認めることにします。そして、深春に促され、結婚式の続きをします。さっきまでは友人しかいなかった結婚式に夏乃の両親や柾鷹の養父が参列し、皆が見守る中、2人は永遠の愛を証明するのでした。
それから夏休みに入り、柾鷹と夏乃は夏休みの宿題に取り組んでいました。柾鷹は能力が使えなくなり、夏乃もまた不幸に見舞われることはなくなっていました。そして、柾鷹は誰か1人いなくてはいけないはずの人を忘れていました。それは火事があった日、柾鷹は“無傷で助かった”ということになっていましたが、実際は違っていました。1人の大人が焼け死ぬほどの大火事で、子どもだけ無傷というのは不自然だったからです。柾鷹は死にかけていました。そして、そんな柾鷹を見て夏乃は死なないでと必死にお願いしていました。そのとき、隣で息絶えようとしていた利成は「リキエル」と呟くと白い翼が生えます。しかし、正確には違いました。利成の最期の一声に応えるように、天使が出現したのです。天使を見た夏乃は、その天使に柾鷹くんを助けてほしいとお願いします。すると、その天使は夏乃の一生分の運を代償にして柾鷹を助けることを了承します。ただし、助けるのも条件が必要でした。それは夏乃と柾鷹がお互いに必要とすることでした。それは、柾鷹が天に召されないように繋ぎ止めておく“地上の鎖”となることでした。しかし、夏乃は他人を必要としないほどに強いことを天使は見抜いており、その身を焦がすほどの努力をしなければ難しいだろうと言います。時には他人に柾鷹の隣を譲ることになることもあり、自らは報われないだろうと。それでも夏乃は受け入れます。柾鷹を救うために・・・。
うたた寝をしていた柾鷹はそこで目を覚ましますが、夢の内容をよく覚えていませんでした。けど、夏乃が何かの負債を背負ってこれまで生きていて、その負債を誰かが身代わりになってくれたことは何となく理解していました。夏乃は柾鷹が昔見せていた悲しい笑顔を見せていたことから心配していましたが、柾鷹は大丈夫だよと言って夏乃を抱きしめるのでした。
美鳩夏乃編 感想
いやー、夏乃ちゃんマジ天使やー。共通ルートのときからそう思ってたけど、マジ天使やー。すっごく素直で良い子ですよね~。感情表現が豊かで甘えんぼさんでとにかく「可愛い」の一言に尽きます。それ以外思いつかないw 「どーん」とか「なんだよ~」とか語尾に付けるのも可愛いし、可愛かったのは独特の口調による影響が強かったので、声優さんの力もかなり大きかった気がします。この声優さんは似たキャラとして星架かの初ちゃん役もやってましたけど、こういう役がすごく合いますよね。
夏乃編では火事の真相が分かるため、柾鷹の過去について、莉玖ちゃん以外のほとんどのことが分かります。そして、ほんの僅かではあるもののメインヒロインのシナリオの中で唯一傍観者だった莉玖ちゃんが本筋に絡んできます。莉玖編がグランドルートになるのはこれで読めますね。あとは美鳩家のことですが、そっちは黒幕と見られてた深春さんが1番夏乃の味方だったという形で収束してますが・・・当主の意味あんの?実質深春さんが支配してない?別段夏乃が当主になる必要なくない?とか思ったりもしたんですけどw つか、夏乃の父親は当主のくせに情けなさすぎでしょw あれじゃー、深春さんが夏乃に継がせようとするのも分かる気がするわw そういえば、アーデルハイト編のエンディング後の過去エピソードで言われてた、学園時代の利成の熱狂的なファンって深春さんのことだったんですね。こういう風に別のエピソードで繋がりが出来るという演出もなかなかニクイですねw
Hシーンは4回。こはねさん&愁さんの従姉妹コンビに次ぐおっぱいヒロインということで期待してましたが、パ○ズ○フェ○は一応あるし、おっぱい見せる率も高めなので満足はしました。ただ、アフターHの本番CGは水の中におっぱいがあるのでちょっと微妙だった。そういえば、角オナがありましたが、角オナを見ると、どうしても某銀髪魔女が思い浮かんでしまいますね・・・w
一般シーンだと、とにかく夏乃ちゃんが可愛いすぎるので好きなシーンが多いですねw 自分的には「柾鷹どーん」って言って甘えるところが1番可愛いなと思ってます!あとは布団で匂いを嗅ぐところとか、ラストの教会での結婚式ですかね。まぁ夏乃ちゃんはいればそれだけで癒される存在なので、ここがイイ!って特定するのが難しいかなw
さてさて、お次で最後になります。斉須莉玖編です!
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夏乃ちゃんに甘えられたいんだどーんw