内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

講義の準備にのめり込む

2015-02-10 18:52:27 | 雑感

 昨日の記事で、今日から来月のシンポジウムでの発表原稿の準備に取り掛かると高らかに(でもないか)宣言したにもかかわらず、今日はそのためには何もできなかった。というのも、後期の担当講義は二コマだけで時間的にはかなり楽なのであるが、その二つの講義とは「中古文学史」と「近世文学史」で、今週はどちらもその最大の山場に入るので、講義の準備が大変だったというか、自分でも最も力を入れたいところなので、準備にのめり込んでしまったというわけである。
 何しろ中古の方が『源氏物語』、近世の方が俳諧なのであるから、どちらもまさに日本が世界に誇る日本文学の精髄なわけで、これは誰がやったとしても、熱が入るところであろう。学生が関心を持とうが持つまいが、そんなことはどうでもよく(はないが)、とにかくこちらとしてはちゃんと紹介する責任と義務がある。
 日曜日も月曜日もそんなわけで一歩も外出せずに丸一日ほとんど机に向かっていた。学生に読ませている教科書だけ予習するなら、それぞれ二時間、つまり講義時間と同じくらい準備すれば十分なのであるが、昨日は『源氏物語』の参考文献をあれこれ読み漁り、今日は俳諧、特に芭蕉について文献を渉猟していたら、あっという間に時間が経ってしまった。そこまでしなくても講義はできるのだが、実はこういう時間が結構楽しいのである。つまり、講義の準備という口実のもとに、自分の好きな勉強をしているというわけである。これで給料がいただけるのであるから、フランス国家には感謝しなければいけないと柄にもなく殊勝なことまで思ってしまった。
 というわけで、発表原稿作成開始は明日以降に持ち越されてしまったのである。しかし、ここで注意しなければいけないことは、明日以降ということは、明日とは限らないということである。明日は、午前十一時から一時間オフィスアワー、今秋から日本留学予定の修士一年生が一人、日本語で準備する志望動機書のことで相談に来ることになっている。そして、昼から二時間「中古文学史」の講義。明後日はIKEAから整理戸棚が届くことになっていて、その組み立てに時間を取られ、組み立て後はその戸棚にしまう予定の書類等の整理に追われるであろうから、原稿執筆に集中することなどままならないであろう。その翌日金曜日は、午前中が「近世文学史」の講義で、午後は一週間の疲れを癒やすために休息する。したがって、原稿執筆開始は、おそらく今週の土曜日からということになるであろう。













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