内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

怒りと悲しみと虚しさと諦めの四重奏

2020-02-10 18:01:26 | 雑感

 拙ブログの基本原則、といってはいかにも大げさですが、自ら課しているルールがいくつかあります。より正確に言うと、禁止事項です。これまでも何度か折り触れて話題にしたことがあります。ちゃんと数え上げたことはありませんが、ざっと思いつくままに列挙すれば以下の通りです。
 他人の悪口は書かない(ごく常識なことで、ルールと呼ぶまでもないかもしれません)。似たようなことですが、誰のことがわかるような個人攻撃はしない(こう書くと、「じゃあ誰のことかわからないような仕方で攻撃することはあるわけ?」と混ぜっ返されそうですが、それもありません。それにもしそんなことしても相手にはわからないわけですから、攻撃したことにならないですしね)。他人に迷惑になることは書かない(これには細心の注意を払っているつもりですが、こっちにそのつもりがなくても、迷惑がかかってしまったことがもしかしたらあったかも知れません。ただ、それは苦情をいただかないかぎり、こちらにはわかりません)。人が秘密にしておいてほしいことを暴露するようなことも書かない(そもそも人から大事な秘密を打ち明けられることがほとんどありませんから、あまり気にすることはないのですが)。噂でしかないことをさも事実のようには書かない(人を騙すことになりますからね。あっ、でも悪気のない冗談は許されたし)。人が読んで不快になるようなことは書かない(これは予測不可能なことがあります。意図して不快にさせるようなことは書いてなくても、読んだ人が嫌な気分になるということは完全には避けがたいですね)。
 とまあ、ずらずらと書き並べたわけですが、実を言うと、ここまでは前置きなのです。
 正直に申し上げますと、今、かなり重く暗い気分に襲われていて、それに抗しながらこの記事を書いています。上掲の禁止事項をすべて遵守して書くと、結果としては、読んでくださる方に何のことだかわからない話になってしまうのですが、それでも書くのは、もっぱら書き手の精神衛生のための自己療法の一環とご理解いただければ幸甚です。
 今日の午後の授業の後、怒りと悲しみと虚しさと諦めの四重奏がずっと心を領していて、何もする気になれない状態です。怒りがこみ上げてくると、その行きどころのなさゆえの虚しさが怒りを沈静化し、虚しさが心に広く浸潤すると、それが徐々に心のさらに深いところで悲しみに変質してゆき、その挙げ句に諦めの深いため息が出て、気分の循環に一旦終止符が打たれます。すると一呼吸おいて、怒りのテーマから変奏曲が始まってしまうのです。変奏のされ方は、天候やそのときいる場所によって異なります。今のところ、第何変奏まであるのかわりません。こういう精神状態のときは、耳は音楽を受けつけないので、好きな音楽も聴けません。
 今晩はさっさと寝て(こんな状態でも不眠に苦しむことはないのは幸いです)、早起きして当日の授業の準備をすることにします。