内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

新学年開始!

2017-09-06 20:03:46 | 雑感

 今日、新入生向けのオリエンテーションがあった。
 午前中は、LEAという学部(二つの外国語を同時に学び、それに加えて卒業後すぐに仕事で使える実践的知識を身につけることを主たる目的とした学部。この学部で日本語と英語を同時に学ぶことができる。毎年五十人前後の学生が日本語を選択する。その日本語教育を日本学科の教員たちが担当している)のオリエンテーションに日本学科の代表として出席し、学生たちに一言挨拶。
 六百人収容できるこの階段教室は、「ジャン・カヴァイエス」の名が冠されている(こちらが大学のサイトの中の同教室の紹介記事)。カヴァイエスがストラスブール大に任命された1938年の一年後には、ストラスブール大学はクレルモン・フェランに仮移設されてしまうのだが、それでもカヴァイエスがストラスブールの街に一年ほどいたことは、私にとって、彼の哲学に対する関心を強める理由の一つにはなっている。
 午後は、日本学科のオリエンテーション。これが学科長としての実質的な初仕事である。今年は、新入生がとても多く、二百人収容できる階段教室がほぼ満席。少し遅れてきた学生たちにはもう席がなく、通路に座って聴く者も十数名いた。新一年生たちに混じって二・三年生もいたから、全部が全部新入生ではないのだが、それでも私が赴任してきてからでは、新入生の数が最も多い。
 パワーポイントを使って学科の概要を説明。同席した同僚たちに補足説明をしてもらって、約一時間でオリエンテーションを終了。その後、別教室で個別質問に前学科長と手分けして答える。一年生担当の同僚は別の場所で個別質問に答える。
 私が対応した新入生の中には、五月にバカロレアの口頭試問で面接した学生もいた。彼女は法学部に席を置き、同時に日本学科にも登録するという(このような二重登録はフランスの大学では合法的に可能)。しかしながら、授業は重なってしまうことが多いので、どのようにして日本学科の授業についていけばいいかという質問。彼女はすでに高い日本語能力を持っているので、試験だけ受けて単位を取れるように、担当各教員と相談するように指示。そのために必要な許可証は私が発行すると約束。
 個別質問の後は、学科に戻って、年度初めの教員会議。これが約二時間半。すべて実質的に有用な議論ができた。議長である私はときどき口を挟むだけ。
 最終的な責任は学科長である私が負う。話し合いは教員全員(といっても実質最大で八人しかいないけど)で行い、一つ一つの案件について合意を形成する。その上でそれぞれの教員が自分の責任・担当・部署に応じて、自発的に職責を果たす。そう私は望んでいる。初日の今日は、すでにその方向で全員が動き始めてくれていることが確認できた。
 まったなしの案件が山積している。有能な同僚たちを信頼しつつ、一つ一つの事に焦らずに応分の対応をしていきたい。