内的自己対話-川の畔のささめごと

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物理的諸現象にとって本質的な非連続性 ― ジルベール・シモンドンを読む(73)

2016-05-17 12:24:18 | 哲学

 今日の記事は、ILFI第一部第三章第一節「連続と非連続」第一項「非連続性の機能的役割」の最後の二つの短い段落(101頁)を、そこにごくわずかな補足を加えて訳しただけである。
 関係が存在のレベルに定位され得るようになったのは、非連続量という概念が粒子の概念と結び付けられたときからである。物質の非連続性を単に細粒構造からなる、つまりより小さな単位における連続性に還元してしまうと、古代哲学における物理的個体の構想が引き起こした諸問題の大半はそのまま残されてしまうことだろう。
 関係理論が可能になるためには、非連続性の概念が諸現象の表象にとって本質的にならなければならない。この概念が量塊に対してだけではなく、負荷、粒子群が占めることができる安定的な位置、構造の変化において吸収あるいは譲渡されたエネルギー量などにも適用されなければならない。作用量子は、媒介的状態を介することなく、突然の飛躍によって変化する構造の相関項である。