内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

雨降る白山・小石川・春日界隈をふらつく

2024-07-12 22:23:15 | 雑感

 この記事は東京都文京区白山にある小石川植物園の正面入口の斜め前にあるマンションの一室で書いている。
 10日夕刻にストラスブールを発ち、その日はシャルル・ド・ゴール空港近くのホテルで一泊。翌朝のエール・フランス便で羽田へと向かう。羽田に着陸したのが今朝の5時55分。午後3時に31日間の短期賃貸契約をフランスにいる間に済ませておいたマンションに入居した。
 2017年にも、小石川植物園の裏手にあたる地区にやはりマンションを借りた。どうしてこの一帯にこだわるかというと、第一の理由は、夏期集中講義を行う大学に歩いて行けるという至便性である。でも、それだけの条件だったら他の地区でもそれを満たす物件は少なからずある。第二の、そしてそれが本当の主たる理由は、2017年にこの界隈を歩き回ったとき、この地区がすっかり気に入ってしまったことである。
 一部の高級マンションを除いて、高級とかオシャレというイメージが支配的ではなく、むしろこぢんまりとした質素な一戸建てがまだたくさん残っていて、表通りから一本はいると道が細く、したがって、車の通りも少なく、あっても徐行運転で、地区全体が静かに落ち着いていて、長年の住民たちが気取らずに気に入って棲んでいるという空気が感じられるのだ。その中心に小石川植物園がある。
 今回の物件は大学からの距離は前回よりやや遠いが、窓の正面は、狭い通りを挟んで小石川植物園の森という立地条件に魅了されてしまった(ただ、横断する電線に視界が邪魔されるのが残念)。入居してみて、八階建ての建物の作りもしっかりしており、セキュリティに関しても、専用キーを使わないとエントランスには入れず、合格点、部屋そのものもきれいにメンテナンスされており、申し分ない。
 ただ、一点、管理会社からあらかじめ知らされていたとはいえ、残念に思うことがある。それは、食器・調理器具がまったくないことである。コップ一個、箸一膳すらない。一月間の滞在のために、自炊のための最低限の道具を買い揃えるのは割に合わない。レンタルセットもあるが、割高だし、こちらが望んでいるものが全部揃うわけでもない。かといって、全部外食では出費もかさむし、栄養バランスもよくない。この点は改善してもらいたいと思う。
 それはともかく、雨模様の白山・小石川・春日界隈を少し歩き回ってみた。そのために折りたたみの雨傘をマンションから150メートルのところにあるセブン・イレブンで買った。これが今回の滞在の最初の買い物であった。実は、出発直前まで、傘を持っていくかいくまいか迷ったのだが、少しでも荷物を軽くするためにリストからはずした。それが裏目に出た。
 とりあえずの買い物を済ませた帰り道、Vàng Field というべトナム創作料理の店が目に止まり、ふらふらと吸い込まれるように入って、そこで早めの夕食を済ませる。飲み物の値段設定がやや高めだとは思ったが、メニューに並ぶ料理はどれも美味しそう。自家製の塩豚の炙り焼き(1280円)を注文した。塩焼きとはいっても味はまろやか、甘みさえ感じられた。ボリュームも対値段でまずまず。接客も合格点。私は5時過ぎに入り、6時前には店を出たが、私と入れ違いにつぎつぎと予約の客たちが入って来る。
 料理と一緒に頼んだ金澤ビールとサイゴン・スペシャルでほろ酔い気分になって、傘をさそうかさすまいかというほどの降りの小雨の中、買ったばかりの傘をさして「新居」まで少し遠回りして帰る。
 天気予報によれば明日も雨。ジョギングはあきらめ、散歩に出る以外は家にこもって来週の札幌での二つの講演会の仕上げに集中しようかと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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