空を見上げると
クジラみたいな
飛行船みたいな
雲が
ワタシ目がけて
やってきた
「ねぇ 乗せてよ」
懇願するワタシに
なんて
気にも留めず
自分の夏を
目指して
すぐ傍を
足早に
過ぎて行った
「行きたい場所は
わかってるんでしょ?」
そう云いたげに
ちらり
一瞥しながら
蝉の声
溶けた氷
扇風機の羽音
夏が 始まるね
何かが 終わるね
「キミは季節に喩えると
絶対に 夏 だね」
そう云った
あのヒトは
どんな空を
見上げているの
だろう
だれと
この夏を
見上げるの
だろう
~夏の日~ オフコース
君が僕の名前を
はじめて呼んだ夏の日
僕は君を 愛し始めてた
あの夜君は 部屋にいない
でも僕は 何もきかない
ただ君を 離せなくなっていた
誰れかの為の 君の過去は
都会のざわめきに隠して
とどけ心 明日まで
せめて秋が 終わるまで
いつも愛は 揺れてるから
心を閉じて
誰れもそこへは入れないで
「どうしても 今 これから
あの海へ 連れて行って」
やがて空は 白く明けてゆく
君の鼓動が 波のように
僕の胸に 寄せて来る
あの夏の日を 確かめたくて
車は南へと 走る
とどけ心 明日まで
せめて秋が 終わるまで
いつも愛は 揺れてるから
心を閉じて
誰れもそこへは入れないで
時よ そっと流れて
時よ 愛を試さないで
いつも愛は揺れてるから
心を閉じて
誰れもそこへは入れないで