何処となく
モノ哀しい夜
が
ある
今夜
も
また
帰り途
見上げた
大きなお月さま
いま
自身が
封じ込められている
真っ暗な
闇袋の口
が
まぁるく
開いていて
向こう側が
煌々と
照らし映し出されている
ようだ
追いかける
何処までも。
とは
いかなくても
導かれるまま
に
不思議なモノで
近付けば近付くほど
月は
遠のいていくかのように
小さく小さく
怯えている
終いには
雲が味方して
月を隠してしまった
呆気なく
出口なんて
ナイのよ
そう
つきつけられた
気がした
月は
憧れるくらいが
ちょうどいい
どうして
追いかけようと
したのだろう
どうして
此処から
うんと
遠い場所へ
行ける気が
したのだろう
俯きながら
辿り着いた場所
四角い窓から
柔らかな光が
溢れていた
逃げもしない
小さくもならない
ただ
変わらずに
其処にある光
帰るべき場所
変えるべき自身