とても暑かった日の
夜空は
とても高く
地上に籠った
熱を
空へ逃がすかの
ようで
見上げても
手を伸ばしても
届きそうにない
もぅ
オリオン座も
即座に
見つけられなくなった
まだ見慣れない
夜空に
次の季節を
見る
思いつきで
いつもの帰り道を
それた
小さな
川のほとりに
たよりないけれど
たしかに生きている
螢火を
見つけた
開け放った
だれかの家の窓から
にぎやかな
笑い声が
聴こえた
ひとり歩く
夜道には
街灯に照らされた
伸びる影が
足長おじさん
みたいに
ワタシを
エスコート
してくれていた
淋しい時や
息詰まる時は
すこしだけ
自分にしか
わからないくらいだけ
目先や
ルートを
変えてみるのも
悪くないかも
新しい夜に
出逢えるから
新しい季節を
見つけられるから
いつもの場所が
より
いとしく
想えるから