ココロが
ザワザワした
気づいたら
向かっていた
「あぁ やっぱり・・」
四月の雨が
おばあちゃんの家を
庇うものもなく
濡らしていた
重機が
閉園後の動物園の
キリンみたいに
首をもたげ
明日に備えて
うなだれていた
開腹手術の
真っ只中みたいな
おばあちゃんの家
昨年秋に
鬼籍のヒトとなった
父方の祖母
自分で望んだ運命と
抗えない天命に
翻弄されたヒト
ようやく
年を重ねて
祖母の
苦悩や孤独に
気付けた時
彼女は
それに安堵したかの
ように
もぅ触れられない
遠くへいってしまった
守るものが不在の
彼女の城は
あっという間に
亡骸になってしまった
きっと
数日後には
もともと
ソコには
何もなかったんじゃ
ないかと
思わせるほどだろう
いつも
閉めきっていた
カーテンも
玄関の扉も
もう無い
でも
春の陽射しが
燦々と
射し込む
いつもの
テレビの前の
指定席に
彼女はいない
もぅ一度だけ
大音量の
時代劇を
とぎれがちの会話を
やけに
上等なお茶を
一緒に
過ごしてみたかったな
久しぶりに
戻れない時間を
思い切り
後悔してみよう
ザワザワした
気づいたら
向かっていた
「あぁ やっぱり・・」
四月の雨が
おばあちゃんの家を
庇うものもなく
濡らしていた
重機が
閉園後の動物園の
キリンみたいに
首をもたげ
明日に備えて
うなだれていた
開腹手術の
真っ只中みたいな
おばあちゃんの家
昨年秋に
鬼籍のヒトとなった
父方の祖母
自分で望んだ運命と
抗えない天命に
翻弄されたヒト
ようやく
年を重ねて
祖母の
苦悩や孤独に
気付けた時
彼女は
それに安堵したかの
ように
もぅ触れられない
遠くへいってしまった
守るものが不在の
彼女の城は
あっという間に
亡骸になってしまった
きっと
数日後には
もともと
ソコには
何もなかったんじゃ
ないかと
思わせるほどだろう
いつも
閉めきっていた
カーテンも
玄関の扉も
もう無い
でも
春の陽射しが
燦々と
射し込む
いつもの
テレビの前の
指定席に
彼女はいない
もぅ一度だけ
大音量の
時代劇を
とぎれがちの会話を
やけに
上等なお茶を
一緒に
過ごしてみたかったな
久しぶりに
戻れない時間を
思い切り
後悔してみよう