一枚
の
ポストカード
を
眺めている
ワタシ
の
初めて
の
シャガール
「燃えるような花束」
あれは
たしか
ジグソーパズル
で
当時
ちょっとだけ
仲良しだった
ボーイフレンドの家
で
ふたりで
ワイワイ
云いながら
作ったっけ
小さなピース
には
カラフルな
踊るような
色彩が
溢れていて
まだ
子どもだった
ワタシたちには
眩しくて
憧れ
だった
結局
作りかけのまま
ボーイフレンドとも
いつしか
疎遠になって
カレの
行く末
にも
まして
その
シャガールのジグソーパズル
の
行方のほうが
ずっと
頭の片隅に
残り
気になっていたっけ
先日の
シャガール展
に
於いては
展示こそ
なかったモノの
ミュージアムショップ
で
その作品
を
ポストカードとして
だけど
完成されたモノ
として
再会した時には
思わず
感嘆の声を
あげてしまった
通わせ合えなかった
キモチ
添い遂げられなかった
ココロ
答えなど持ち合わせてなかった
若さ
未来なんて遠いセカイの話
そう想っていた
醒めた現実
それらも
いつしか
自身の
糧や
財産となって
いま
ワタシは
此処にいる
ちょうど
この
燃えるような花束
に
抱かれて
浮遊しているような
裸婦
みたいに
日々が
カラフルで
日々が
隆起している
いつか
花々は
朽ちていくのかもしれない
そんな
不安も
時折
過るけれど
その時は
ワタシも
一緒に
朽ちていけばいい
それぐらい
の
覚悟
で
花束のように
抱きしめられる
花束のように
芳しき
色香を放つ
こんな人生
を
こんな
燃えるような花束
を
待ち続けていて
よかった
忘れずにいて
よかった
あきらめないで
よかった