隣町の交響楽団が主催する演奏会の年間プログラムは事前に検索し、
その日はきっとピアノ調律の依頼が入ってくるだろうと
「見込み枠」を前もって確保してスムーズな対応を取れるようにしています。
それでもうまく事が運ばないことがたまに起こってしまうドイツのマネージメント。
なぜか憎めなく、愛嬌があるといってもいいかもしれません。
1週間前になっても調律依頼がないのでおかしいなぁと思ってた。
演奏会は中止になったのかねぇ?
当日の午後になっても連絡がなく、やはり気になったので確認を取る。
「ケルンWDR交響楽団のGastspiel(客演)だからが彼らがピアノを準備するんじゃない?
私は何も指示を受けてないわよ。 だから今日はあなたの出番はないわ!」と軽ーいお返事。
おかしいなぁ、そんなはずないけどなぁ、でもお呼びでない。
じゃぁ、クリスマスまでに調律を希望するキャンセル待ちのお客さんを
その枠に入れてあげようとスケジュール調整している最中、
「やっぱり、うちのピアノを使うんだって、だから今からすぐに来れる?
ーまーさんの万端な注意深さにはほんとに心から感謝するわ!」
…ほら、やっぱり忘れててんねぇ…
リハーサル開始1時間前に現場到着。何とか間に合いました。ふーっ
今回僕が確認をせず調律なしのピアノで演奏することになった場合、
誰が一番困ったのだろう。それを想像しながらリハーサルを聴く。
楽団のえらいおじさん曰く
「よく見落とさず報告し、機敏に対応してくれました。
ーまーさんはわが楽団の宝です!」
あはは、そんなお褒めの言葉はいらんから
今回の感謝の気持ちを「ちょっと高級な赤ワイン贈呈」で表現してみる
っていうのんどうです?
そうすればクリスマスには確実に3本の赤ワインがテーブルに並ぶことになる…
ーまー
蛇足 ラフマニノフピアノ協奏曲1番はあまり聴く機会はないようです。
彼の18才の時の作品。2楽章は特に泣けます。