磁気物理学研究室の研究活動記

鹿児島大学理学部物理科学科磁性研究と教育活動、周辺での出来事を中心に紹介しています。

鹿児島大学理学部理科実験教室:磁石で音を作ろう!聞こう! presented by K-Lab

2013年08月24日 22時08分14秒 | 研究
今朝も与次郎の100円ショップ(鹿児島大がから2.5km)
に磁石を買いに自転車で行くなどぎりぎりまで
鹿児島大学理学部理科実験教室の準備でした。

昨夜の間に電磁石兼サーチコイルの製作をしました。

パーマロイ合金に銅線を200回巻いています。

エルステッドの実験。


この鉄線に録音もします。

13:30分から理科実験教室開始。参加者:鹿児島大学近くにある天保山中の2年生2名。
テキストや実験材料を準備しました。


スケジュール
挨拶、概要説明、スケジュール説明、参加者自己紹介
磁気物理学ゼミ1---磁石の起源、磁石の応用など
休憩(10分)
磁気物理学ゼミ2---磁石の起源、磁石の応用など
スピーカー製作---磁石とコイルで音を作る(約60分、10分休憩含む)
磁石で録音---磁石で声を針金に録音する
修了、最終試験、学位授与
終了、後片付け
でした。

磁気物理学ゼミ(講義)及び実験内容---磁石の起源、磁石の応用など
1) 強磁性体:永久磁石(ネオジム磁石)や鉄クリップ、鉄針金、反磁性体:水、トマト
2) 磁石には必ずN極とS極がある。(方位磁針、永久磁石、電磁石)
3) 磁石を小さくしてもN極とS極があり、物質を作る原子まで磁石になる(原子磁石)-->実際に棒磁石を粉々にしました。
4) 原子磁石の起源は電子(スピン)。よって永久磁石の起源は電子の特性。
5) 銅線をまいたらコイルになる。コイルに電流(電子)を流したら電磁石になる(N極とS極が生まれる)。
6) 電流が流れている銅線(コイル)と磁石(方位磁針)の磁場とで力が生まれる。--->スピーカーに応用。
7) 磁場中で銅線(コイル)を動かすと電流が流れる。--->マイクに応用。
8) 方位磁針で磁場の変化が判る。コイルでも磁場の変化が判る。--->磁気センサーに応用。(磁場の変化が音になる)
9) 鉄針金にN極とS極を付けられる。--->磁気記録する。録音の応用。
10)コイル(磁気センサー)で磁気記録を読み取る。録音再生の応用。


今日のアシスタントはK-Labのサイエンスクラブの学生3年生と2年生にお願いしました。

カップでスピーカを作り音が出るのを確かめました。


なかなかセンスのいい中学生たちで、
「さらに良く音を聞こえるためにどんな工夫があるかな?」って考察に
カップの振動板を薄くして振動しやすくすると答え、
紙ヤスリで削り、実際に薄くしていきました。
結果は「大成功」。みんな大喜びでした。
自分で現象を理解し,改善方法を推定し、実行し、成功する、
すばらしい。実にすばらしい。
それで、当初予定していた実験ではありませんが、急遽違う振動板で実験し
これまた成功。


探求に躊躇はありません!

この後、カセット録音機のヘッドを使って、針金に録音と再生の実験をしました。
録音再生はとりあえずなんとか成功しました。

最後に修了試験に合格したので、修了証として「未来博士号」をK-Lab研究室名で授与しました。


5年後、鹿児島大学理学部物理科学科K-Labで磁気物理学と磁気科学をともに研究できることを期待しています。

受講生も講師もアシスタントも「あっという間の3時間だった」というほど、
楽しく、充実した3時間でした。
アシスタントの学生も昨日からよくやってくれました。
ありがとうございます。

その後、アシスタントらと鹿児島大学郡元キャンパス東門近くのカフェに行き
ケーキセットで打ち上げをしました。


美味しかったです。
K-Labは鹿児島大学理学部物理科学科で磁気物理学を研究する学生を募集しています。