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※毎週土曜更新を目標にしています。

文紅の日記

2010年01月29日 05時31分34秒 | 落語・講談・お笑い
「桂文紅日記 若き飢エーテルの悩み」(桂文我編)読了。
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文紅が死んで、間もなく5年か。
ちょうど文枝や染語楼が死んだ月で、
少し埋もれてしまった感じもする。

正直、特に好きな人、という訳ではなかった。
それでも珍しいネタを掛けることも多く、
世話人をしていた「きふね寄席」「でやしき寄席」には時々行っており、
酷いものから古風で良いものまで、様々なものを聞いた覚えがある。

この本は、昭和32年から昭和36年までの文紅の日記からの抜粋と、
巻末に古典・新作の台本をいくつか。
日記は入門して2年目から6年目頃のもの。

その頃の落語界の様子や吉本・千土地などとの関係、
各落語家に対する評価や感情などが描かれている。
特に同世代の福郎や、
一時同居しており、後に文文として一緒に会をやったりする文我(当時我太呂)に対して、
時にネガティブな感情も持っていたようだ。

個人的には、当時珍しかった「学士落語家」である彼が、
周囲からの評価も受けて、どのような落語をやっていくか迷い悩むあたりの
葛藤が興味深かった。
また、その中で自分が不真面目だと思いつつ、パチンコに行ってしまったり、
協会の金を使い込んだりしてしまうあたりの
意外にだらしないところが面白い。

日記は「目立った事柄が記されている日」「心の揺れが如実に描かれている日」等が
抽出されているのだが、できれば全て載せて欲しかった。
内容が重要かそうでないかを判断するのは、読む側だろう。
その分、後半の台本はカットしても良いと思う。
まあ、桂文紅という人をあまり知らない読者を対象にするのであれば、
必要なのかも知れないが。
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