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姉様キングス「クリスマス夜会」~落語は1人ミュージカルだ!~

2014年12月28日 16時53分50秒 | 落語・講談・お笑い
あまり落語会に行けない1年だが、
今年もクリスマスイブは例年の如く姉様キングスのライブへ。
今年は前半落語4席、後半にシャンソンショー等という構成。

二番の後、最初にPV(喬介作らしい)が流れる。
個人的には、うーん、別に、という感じのPV。
何となく素人くさく(素人なんだろうけど)、
上手いともそこまで面白い(独創性が高い)とも思えない代物でもなかった。


「動物園」(あおば):△+

PVに軽く触れ、軽くマクラ(電車の中の話)を振ってネタヘ。

いきなり動物園での会話から始まる。

上手くないが、本人が楽しんで登場人物を演じているのがよく分かる。
上下も深いし、動きが大きいので着物がやたら崩れてくる。
何となく、良い落研(落語クサくない)の1,2回生みたいな感じ。
勢いがあって、そこは良かった。

テキストは恐らく南天ライン。
個人的には、虎の皮を被るところはちと長いかな、という印象。
あと、最後は明らかに人間になっているのだけど、
それはそれで良いのかな、とも思う。


「アナと聖子と沙也加」(あやめ):△+

いつもはあやめが中トリなのだが
(染雀の方が着替えるのに時間がかかるので先に染雀が出る)
今年は究斗が入るのであやめに先が出られたのかな。

久しぶりに見るとかなりの金髪(黄色?)になっていた。
マッサンに憧れて脱色したらしい。
そのあたりや「ドクターX」などに触れてネタへ。

今年流行った「アナと雪の女王」にかけて、
松田聖子と神田沙也加母子の会話、
ところどころに歌が入るネタ。
あやめの新作の中では良い方かな、と思う。
あやめの新作は長くなると薄くなってしまう印象があるのだが、
短い分、元のアイデアが良い具合にネタに反映できていたように思う。


「昆布巻芝居」(染雀):△

軽くあやめの体調や時間などのマクラを振ってネタヘ。

好きなネタなんだが、うーん、あまり満足できなかったなあ。
一言で言えば「緊張と緩和」の、
芝居の話に集中させて芝居の場面になぞらえて鍋蓋を家主に取らせ、
「昆布巻がある」という現実に戻してウケを取る、というネタだと思うのだが、
客が「昆布巻」を忘れる程芝居に集中させることが出来ていなかった。

それは家主とやもめの会話で
芝居から現実に引き戻す話が多かったためであり、
現実に引き戻した後すぐに芝居の世界に戻せるほど、
元々の芝居の雰囲気が作れていなかったためだろう。
「緊張と緩和」の「緊張」が弱いから、
「緩和」が充分に効かなかったように思う。

そうなると、あのクソ下らないサゲ
(褒め言葉。上方落語で最も素晴らしい「地口落ち」の一つだと思う)
の台詞も効かない訳で。
勿体なし。


「ミュージカル落語「レ・ミゼラブル」」(三遊亭究斗+伴奏フランシー堺):△+

究斗は前名「亜郎」。一度見たことがあったんじゃないかな。
マクラで一つ歌って見せる。

おじいさんが子どもに対してミュージカルや「レ・ミゼラブル」の粗筋の説明をする、
その中で「レ・ミゼラブル」の実際の歌を歌って見せる、というネタ。
細かいクスグリも入っているが、歌を歌う場面も長く、
全体的には「笑わせる」よりも「拍手させる」ネタ、という印象。
ただ拍手を受けてからネタに戻る辺りの処理がイマイチで、
流れが損なわれているように思った。
後から振り替えるとトータル30分足らずだったのだが、けっこう長く感じてしまった。

フランシー堺は、恐らくこのネタの伴奏は初めてだと思うのだが全く問題なく、
この人は凄い人なんだな、と感じた。


「音曲漫才」(姉様キングス):○-

クリスマスらしく、赤と緑の衣装で登場。

今年で結成15周年らしい。
「深川くずし」でお互いの紹介と今年の時事ネタ、
「どんどん節」で時事ネタいくつか。
個人的には「都々逸」などに比べてどちらも節が長いので、
ウケが次第に大きくなる、というような流れは作りづらかった感じ。
また「どんどん節」で最後の「どんどん」の前に間を入れていたのだが、
個人的には、合わせにくいかも知れないが、
「ハア」を入れて詰めた方がリズミカルで良いと思う。

15分くらいやっていのだが、
例年に比べてあっさりしていると感じてしまった。
そういえば、サゲのテーマ歌っていなかった。


「音曲漫才」(れ・みぜらぶるず):△+

「歌が変わっていく」というのがパターンの音曲漫才ではある。
聞いたことがあるのが多い(「ジングルベル」の後半から「青い山脈」は初めてかも)が、
これはこれで偉大なるワンパターンで、
色物としては悪くない。

「目玉オヤジの真似」は長いので、
個人的には入れなくてもいいかな、と思う。

最後は例年の如く「ヨーデル食べ放題」。
上手く2番で切り上げていた印象。


「シャンソンショー」(ミス・ジャクリーヌ&マダム・アヤメビッチ):○-

「デザート」という名のメインディッシュ。
今年はミュージカルの曲、というテーマ。

1.「アナと雪の女王」より「生まれてはじめて(上方弁バージョン)」(ジャクリーヌ&アヤメビッチ)
2.「レ・ミゼラブル」より「スターズ」(究斗)
3.「サウンド・オブ・ミュージック」より「私のお気に入り」(ジャクリーヌ)
4.「エリザベート」より「私だけに」(アヤメビッチ)

1.は、まあ、ごく普通のパロディー。
もう少し上方落語に出る台詞に置き替えられた気もする。
2.はまともな歌。パロディーではない。
3.はジャクリーヌ(染雀)のキャラに合わせて「この人(男)がお気に入り」を
歌い上げていくパターン。
4.は「オーストリア王室」を「日本」に置き換えたパロディ。
去年の「父親は××党」よりもヤバい代物。素晴らしい。
ただほぼミュージカルと同じらしいので、
如何に現実がヤバいか、というところか(笑)

最後に「インジャモンdeコマンタレブー」で締め。
入りが少しズレて、最初、伴奏が微妙に合わなかった。


仲入に入った時点で20時を過ぎていたのでどうなるかと思ったが、
結局21時10分頃にハネた。
個人的には前半をもう少し軽く、後半をこってりする方が好みではあるが、
前半の落語会の構成を考えると仕方ないのかも知れない。


# シャンソンショーの元ネタ。
1.生まれてはじめて リプライズ in博多 博多弁ver アナと雪の女王 完全版 For The First Time In Forever



2.『レ・ミゼラブル』♪スターズ/星よ/川口竜也



3.My Favorite Things - Julie Andrews



4.私だけにー蘭乃はな(2014年花組公演「エリザベートー愛と死の輪舞ー」より)


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