朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

久し振りの歌舞伎見物

2008年08月24日 19時53分04秒 | 歌舞伎・文楽
今日は久し振りに歌舞伎を見に行った。
6月は新派のみ、7月は全く行かなかったので
3ヶ月ぶり、というところ。

雨なので空いているだろう、と思ったが、甘い。
最初は立ち見だった。
やはり勘三郎の人気は凄いのだな。

序幕は「女暫」。
内容がどうのこうの、という芝居ではない。
福助の巴御前。
幕外の「しばらく」の「く」が濁って感じられ、少し違和感があった。
声が濁って感じられるのは最初だけでなく、
舞台に出てきてからも時折あった。
ただ全体に声が大きいので、悪罵や洒落の快感はよく伝わる。
これはこれで良いのかも知れない。

引っ込みは勘三郎の舞台番との掛け合いで
少し六方を踏んで見せる。
この部分の勘三郎を振り返る動きと、六方の振りとが調和して面白かった。


「三人連獅子」。
踊りはよく分からないのだが、
少し説明的・心理描写過多な振りに感じられた。
(母獅子と父獅子の絡み方など)
分かりやすい、といえば分かりやすいのだが。


「らくだ」。
落語ダネの分かりやすいお芝居。
ただ実際に操る分、死体を弄ぶ悪趣味を感じた。
「かんかんのう」の場面が(落語に比べて)長いし。

途中で半次の妹?女房?がやってくるのだが、
その意義がよく分からん。別に筋に絡む訳でもないし。
屑屋が出て行って戻るまでの時間つなぎかも知れない。
このあたりを省略できるのは、落語の強みだな。

あと、屑屋(勘三郎)がウケをとるように細かい動きを入れているのだが、
それがどうもチャップリンっぽく感じられる。
(酒を注ぐ動き、飲み干す動き、徳利を取り上げる動きなど)
新作歌舞伎なので、あまり気にするところではないのかも知れないが、
少し違和感があった。

大家とその女房の因業さが分かりやすく、
死体に脅されるところが快かったりしたこともあり、
全体的には楽しめた。

また個人的には、
「怖さが過ぎると笑うしかなくなる」という科白が気に入った。
落語ではこの感覚をベースに持って(科白に入れるもんじゃない)、
「かんかんのう」の後の漬物屋や、
酒を飲んでの転換に持って行けば良いのだろう、と思った。

8月は3部構成なので、ここで終わり。休憩込みで3時間くらい。
今の時代、これくらいの長さが丁度良いのかも知れない。

その後図書館を廻って帰った。
コメント
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