今年も8ヶ月が過ぎ、数多くの天文現象と向かい合ってきましたが、結果は惨憺たるものでした。
ことごとく天候に見放されたといってよいでしょう。
最初にやってきた5/21日の金環日食。まるで金環食帯に沿うような前線が太平洋岸に居座り、太平洋岸地方はその雲に邪魔されました。次に起こった6/4日の部分月食。この現象も悲惨でした。3日と5日が快晴の空だったのに、その当日の4日だけが曇るといった皮肉な天候でしたから。続いてやってきた金星の太陽面通過現象。今回を逃したら次は105年後なので、人生最後の現象もやはり天候に見放されました。この時期にしては珍しい台風の影響でした。続いてやってきた7/15日の木星食。青空の中で木星が月に隠される現象でしたが、この日も朝から曇り空で終始快雲でした。ほぼ毎月のように起こった天体ショーも最後を飾る8/14日の金星食。この好条件の金星食もべた曇り空にあって、潜入も出現も見ることはできませんでしたが、午後4時半過ぎになって、1分ほど晴れ間が覗きました。しかし、この時はもう月1ヶ分金星は離れていました。
さて、天文人生43年。これまでの多くの天体ショーと向かい合ってきましたが、その全ての現象との天候との相性は如何なものかと、綴ってみましょう。私がこれまで住んできた場所は、山梨県と神奈川県の2県です。この2県は地理的な条件からすると気象条件は変わってきますが、気象でいうと太平洋岸気候帯に属しているので、過去の天候の確率をみてもそれほどの落差は見られません。冬場は晴天率が上がるし、夏場は日中晴れても午後から夕立といったパターンも同じ傾向にありますし、梅雨に入る時期も明ける時期もほぼ一緒なので、この2県の晴天率のデータを合算し、年間における晴天率を割り出した結果、意外にも、晴れる確率は約81パーセントと予想よりも高い数値が出ました。恐らく1日のうちで少しでも晴れたら晴れとカウントしているに違いありません。ここで、年間における晴天率が分かったので、私がこれまで体験してきた天文現象と天候との相性も「高い確率で体験できた」と締めくくれば、今回何もレポートする必要はなかったのですが、結論から言わせてもらいますと、相性は悪すぎでした。恐らく2~3割程度の晴天率だったような気がします。