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木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

審査基準と三段階審査(4)

2011-08-10 17:00:40 | Q&A 憲法上の権利
さて、続いて、『急所』と三段階審査論の関係です。

迷える子羊様のご質問後段再掲。

 もし、区別されないということであれば、「急所」における防御権の思考様式は、
 三段階審査に従来の違憲審査基準論を応用したように思えるのですが
 (「事例研究憲法」渡辺康行執筆部分151頁~152頁参照)、
 三段階審査を採用したことと関係があるのでしょうか。


ここは、重要なので、しっかり答えさせて頂きます。

私の防御権思考なのですが、おっしゃる通り、
三段階審査に従来の審査基準論を応用したものです。

『急所』8~9頁にも、まとめましたが、
三段階審査論の特徴は、敢えて、単純化すると二点です。

①なにが防御権制約なのか、をきちんと認定しよう。

②正当化段階では、比例原則(正当な目的との関連性、必要性、利益均衡)で
 審査しよう。

この二点は、従来の審査基準論に比して、新しい手でした。

で、①は重要なので、しっかり論じましょう、というのが『急所』の枠組みです。

但し、この問題は、日本法やアメリカ法で無視されてきた問題ではなく
(権利制約を認定せずに、その正当化の可否を論じるなどナンセンスです)、
事案によっては、ここが大問題になりました。

小山先生が正当にもご指摘されているように、
泉佐野市民会館事件(公物利用表現)や博多駅事件(取材の自由)では、
その行為が、憲法上保護されているのか、
重要な論点になっています。

アメリカの裁判所でも、
徴兵カードを公衆の面前で燃やすことや、
政党にお金を寄附することが、
修正1条が保障するspeechなのか、という問題が争われること、あります。

なので、三段階審査論の①の部分(保護範囲、制約)は、
新しい要素の導入ではなく、従来無意識にやってたことをちゃんとやろう
という程度の指摘だということになります。

そして、いよいよ②の点ですが・・・。

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