木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

ご質問について

これまでに、たくさんのご質問、コメントを頂きました。まことにありがとうございます。 最近忙しく、なかなかお返事ができませんが、頂いたコメントは全て目を通しております。みなさまからいただくお便りのおかげで、楽しくブログライフさせて頂いております。これからもよろしくお願い致します。

カレンダーの謎

2011-06-30 13:05:18 | お知らせ
ダチョウではなく、フラミンゴではないか、
とご指摘くださり、ありがとうございました。

私も、確かにダチョウでなく、フラミンゴだろうと
訂正しようとしたところ・・・。



で・・・でかい。

これは、フラミンゴではなく、むしろ、ディアトリマとかドードーとか、
そのテの鳥では。

砂川政教分離訴訟の調査(3)

2011-06-30 10:41:55 | 憲法学 砂川政教分離訴訟調査
砂川市民と思しき釣り人に、私は尋ねた。

「すいません。富平神社はどこですか?」

釣り人は、私を不審人物ではあるが、
悪人ではないと認定したようであり、
快く回答してくれた。

「え?とみひら?」

意外な答えである。
私の想定では、この辺はすでに富平地区であり、
釣り人は「すぐそこのあれだよ」と答えてくれるはずだった。

しかし、釣り人の答えは、むしろ、
この場所が、富平神社はどこか、
と聞くのにふさわしくない場所であることを示唆している。

そして、釣り人はこういった。

「あっちだけど、とおいいよ。すんごく。」

遠いらしい。しかも、すごく。


こうして、私は、釣り人の指摘した方向に歩を向けた。


釣り人との会話から25分。いっこうに、神社は見えてこない。

周りには、畑と草と川。遠くにはカムイダケ。



雄大な大地の中を、自分以外の人間と出会うことなく歩いてゆく。

私は思った。

北海道における「大地」という言葉には、
何を、どう説得したいのかはよくわからないが、説得力がある。

研究について

2011-06-29 15:06:20 | お知らせ
私は、研究のスタンスというか目標を、

 概念の明確化による議論の合理化

というところに置いております。


自然科学というのは、
天才的な才能や偶然や地道な努力や地味な作業が、
ものすごい一大発見をして、ある時点で飛躍的に大発展する、
というイメージがあります。

 図・自然科学のイメージ



対して社会科学というのは、そういう派手な学問ではなく、

みんながぼんやりと考えていたものに、
明確な定式と論理が与えられ、
より豊かな認識が結実し、
じわじわ、成果があがってゆく、学問であるように思います。

憲法学説というのは、
どうもぼんやりあるいは大上段のものが多く、
より明晰な議論の土台ができないだろうか、
と思って、研究をしております。

ブログを通じて、私の研究について、
コメントや叱責など、いただければ幸いに思います。

憲法判断の方法(6) 適用違憲戦法の盛衰

2011-06-29 15:03:18 | 憲法学 憲法判断の方法
というわけで、
法令違憲も合憲限定・拡張解釈もできないという状況。

このような状況について、90年代まで、指されていた手は、

 ▲よっしゃ。だったら、法令自体は合憲だけど、
  その適用例における、その処分だけを違憲無効にしよう!

というものだったのですな。
いわゆる「適用違憲」または「処分違憲」と呼ばれる処理です。

この戦法は、
「法令自体に手は付けず、事案を適切に解決するもの」
とか何とか言われて猛威をふるいます。
 (大山の四間飛車状態といっていいでしょう。)

と・こ・ろ・が!
90年代になりますと、
この「適用=処分だけ違憲戦法」に深刻な問題が発生いたします。
 (奇しくも、振り飛車に居飛車穴熊という天敵の攻撃が本格化した時期ですな。
  藤井猛『四間飛車の急所1』40以下ページ参照)


適用違憲戦法に対する痛恨の一撃は、次のような手でした。

 ふーん。処分だけが違憲無効になるの・・・。

 △だったら、法令のうち、
  その違憲な処分を基礎づけている部分は、
  ど・う・な・っ・て・しまうのですか?
 
  法令自体が合憲というなら、
  違憲な部分を基礎づけている部分も合憲なのですよね!

・・・。

憲法学者は、この問題への対応を余儀なくされます。
 (この連載記事の最初に紹介した安念先生のように、
  この問題にどう対応しているか、悩んでいる先生も多くおられます。)

どうしたもんでしょうねぇ。

憲法判断の方法(5) 合憲限定解釈

2011-06-28 14:16:51 | 憲法学 憲法判断の方法
さてさて、前回見たような一手詰め状況では、二項全体を違憲無効にすればよいわけです。
「法令違憲」とか言われる処理ですな。

ところが、2年D組の掟は、
「べんかんなもの持ってきたら、それを没収する」というもの。

これ全部無効にしたら、ゲームボーイも没収できなくなります。
困ったなぁ。


というわけで、こういう状況では、

合憲限定解釈ないし合憲拡張解釈!します。
 例「ここにいう『もの』とは持ってきた当人の所有物を言う」

つまり!
 ▲掟を違憲無効(「法令違憲」)にしちゃる。
 △そんなんしたら合憲部分まで除去してまいます。
 ▲だったら、合憲限定解釈!           までの三手詰めですな。

ほほほ。ちょろいもんざんす。


・・・・・し・か・し、
藤田最高裁判事*が何と言おうと、解釈には限界というものがあり、
解釈ではどうしようもない場合もあります。

 *藤田裁判官は、国籍法違憲判決で、文言無視といってよいレベルの
  拡張解釈をしている。

今回の掟も、多分、いまみたような限定解釈をするのは、無理でしょう。
なにせ、文言は限定なしの「物」一般。


さて、そういうわけで、合憲限定解釈に対して

 △そんな無茶な解釈は、解釈の限界をこえますがな。

と反論が成立するケースがあります。


こうなると、悪夢の五手詰め・・・。
将棋の場合、五手詰めだと、私の実力では平均一週間かかります。

こういう状況では、どないせいというのでしょう・・・。