木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

ご質問について

これまでに、たくさんのご質問、コメントを頂きました。まことにありがとうございます。 最近忙しく、なかなかお返事ができませんが、頂いたコメントは全て目を通しております。みなさまからいただくお便りのおかげで、楽しくブログライフさせて頂いております。これからもよろしくお願い致します。

講演会のお知らせ

2014-09-30 19:33:31 | お知らせ
講演会のお知らせをいたします。

私の所属しております首都大学東京法学系(旧東京都立大学法学部)では
毎秋、法学・政治学に関する講演会を開催しております。

本年は、石川健治先生にご登場いただくことになりました。


日時などは以下のとおりです。


日時  10月16日(木曜日) 18時より
場所  首都大学東京南大沢キャンパス 講堂小ホール
    (京王相模原線南大沢駅徒歩4分)
主催  首都大学東京法学会

講演 石川健治先生(東京大学教授)
演題 「にせ解釈と悪変遷――とある憲法学者の理論と実践」(仮)

   入場無料・予約不要


7・1閣議決定後の状況において、
非常に重要な視座を得られるすばらしい講演会になると思われます。

どなたでもご参加いただけますので、ぜひ、奮ってご参加ください!!

過去問の検討をしてみる

2014-09-24 21:48:40 | お知らせ
先日の辰巳法律研究所の講演会でもアナウンスいたしましたが、
年内に、司法試験過去問(平成18年から26年度まで)を検討、解説する本を出します。

内容は、本試験問題、出題趣旨、採点実感に加え
私の憲法の急所方式(Q&A)での解説、
私が書いてみた参考答案例のセットであります。

解説では、出題趣旨や採点実感の記述の分析も踏まえ、
こういう方向で、と議論を展開しています。

憲法の過去問検討については、
試験が新しくなって以降、
全体を見通した良質な解説本がない状況だと言われておりまして、
いささか大変でしたが、チャレンジしてみました。

自分で解説のために解いてみると、
(理論的重要性が低いため)教科書的記述ではさらっと書かれているのに、

いざ、論証を組み立ててみようとすると、
結構、整理が必要な論点があるということが分かったり、

採点実感を見ると、実務家試験委員も含め
最新の学説が共有されていることが分かったりして、

とても勉強になりました。

もちろん、採点実感の記述には疑問もあって、

大学の自治というのは、大学が公権力に対して主張するもので
大学内の施設での研究のありようの決定権を
個々の研究者と教授会と学長でどう配分するのか、的な論点を

「大学の自治と学問の自由の対立」という用語で書いてしまうのは
おそらく根本的な誤解でしょう、といった感じで、
試験委員自体が問題を採点する能力をもっていない不適切な出題的な年も、
まあ、あるにはあるのですが。

というわけで、現在、鋭意仕上げ作業中ですので、
過去問検討にお困りの方、司法試験の準備をしたい方、
その他、地球にお住まいの方は、ぜひ、どうぞ~。

また、詳細が決まりましたらお知らせしまする。

法律時報を読む

2014-09-22 21:02:16 | ちょっと一言
今月の法律時報は、法曹教育特集。

辰巳法律研究所の後藤所長の原稿ものっており、
読んで、考える。

現状はいろいろ困った状況で、
法曹になりたい人は法科大学院の授業を受けてほしい
という理念は、まだまだ残っている様子。

というわけで、たしか、あの大学のえーと、あの先生が言っていた

「法科大学院教育が重要だ」という前提を置くなら、
いっそのこと、予備試験に司法試験を吸収して、
司法試験合格を法科大学院入学の要件にしてはどうだろう?
というプランに共感。

法科大学院→司法試験→司法修習

の流れでは、どうしたって、法科大学院では
司法試験の指導をせざるを得ない。
これはいろいろな意味で不幸じゃ。

ということで、

司法試験→LS→修習の流れにすれば、

さしあたり、LSで受験指導をする必要はないし、
受験勉強でLSの授業がおそそかに、みたいなことにもならないだろう。

法曹志望者も、自分の好きな先生のいるLS選んでゆけばよい。

各LSも、
合格率の競争でなくて、教育の質のアピール競争に流れるのではなかろうか。

司法試験の上位合格者には国から奨学金つけても良いかもしれない。

そうなると、各LSが100人定員として、
合格者が毎年1000人から1500人だと、
全国で10から15のLSが残って、というストーリーか。

ふむふむ。悪くないと思うぞよ。

もちろん、「すべての法曹が法科大学院で学ぶべきだ」
という前提を置くならの制度改革提案ですが。

最近の採点実感について(1)

2014-09-10 19:22:40 | Q&A 採点実感
昨日、司法試験の合格発表がありました。
みなさまおつかれさまでした。

ところで、司法試験と言えば、最近私、仕事で
司法試験の採点実感と出題趣旨を読んでいるのですが、
表現的にいかがと思うことが多く・・・。

時間的な制約から、
どうしても理論的にも文章的にも雑な表現になってしまうのはわかるのですが
(あ、これは受験生の答案のことではなく
 試験委員が書く採点実感と出題趣旨のことです)、
やはり、いささかいかがなものかと思ったところを
コメントしてみようと思います。


さて、そのシリーズの第一回ですが、
今回は、昨年平成25年についてです。
あの年の公法系第一問は、
デモ行進の不許可処分と大学の教室使用不許可処分の合憲性が問われました。

このうち、前者については、まあよいのですが、
後者については、「出題趣旨」で平等権で書いてほしいということが書いてあり、
採点実感でもそこがメインとのこと。

しかし、採点実感では同時に、「憲法23条」が問題になる(1ページ目1)とか、
「学問の自由と大学の自治の緊張」という平成21年同様の問題があり、
それを書いた答案は「賞賛」に値する(3ページ目)とか、
書いてあり、学問の自由についても論じた方が良かった
という空気。


結局、憲法23条をどう処理すればよいのやら、という疑問がわくわけです。

また、平成21年(遺伝子治療研究の研究停止命令)の出題趣旨、採点実感では、

大学教授が「県立大学の施設を使って研究すること」が学問の自由で保護されることが

当然の前提とされる一方、平成25年の出題趣旨、採点実感では、

学生が「県立大学の施設を使って研究集会すること」は学問の自由で保護されない

というようなかきぶりになっていて、
これは、かなり受験生を戸惑わせる内容になっております
(このような採点実感の記述は有害ではないのか・・・)。

というわけで、この点を整理してみようと思います。

        (つづく)

夕学五十講のお知らせ

2014-09-08 20:33:06 | お知らせ
10月14日、夕学五十講にて講演させていただきます。

詳細はこちらをご参照ください。

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今日は、朝から政教分離規定について勉強しておりました。

政教分離は、憲法20条3項、89条、20条1項後段と規定があり、
それぞれの関係を整理するのに一苦労という感じですが、
最終的な整理の枠組みが開発され、一安心というところです。

悪口を言われることの多い津地鎮祭の枠組みですが、
よくよく読んでみると、体系性、理論性ともに申し分ない感じ。

いつかどこかでこの感動について語らなくてはなるまいて。

明日は、小平市の住民投票結果開示請求について考えてみたりしたい。