ひさかたぶりです。
この前、
ちょっと記事を書いたのですが、
同性婚と憲法について、
国会でも議論がはじまっているようです。
首相のご発言も、いろいろ解釈がありますので、
こんな指摘をしておこうかと。
「憲法は同性婚を認めているのか?」
という質問は、次のような意味を持ちえます。
質問1
同性同士の相互扶助契約を有効とする法律は、違憲無効か?
質問2
同性同士が、お互いの子どもに嫡出推定を及ぼしたり、
相続分を設定したりする契約を制度として作った場合に、違憲無効か?
質問3
同性同士の性行為や同棲を処罰しない立法不作為は、憲法違反か?
質問4
憲法は、同性婚を異性婚と同様に保護しているか?
(異性婚を認めない制度は憲法24条違反とされるが、
同性婚を認めない制度は憲法24条違反とされるか?)
この質問1~4は、それぞれぜんぜん意味が違います。
(また、専門的に考えると、この他にも、この質問のありうる解釈は
いやというほどありえます。
こんど、論文にまとめる予定です。)
でもって、首相が、
「質問3」に「処罰しないと違憲です」といったのであれば、
かなりどうかとおもう事態です。
他方、
「質問4」に「憲法は同性婚については何も言っていません」
といっただけなら、
法律でそういう制度をつくることは排除されないことになるし、
まあ、そういう考え方もというご発言でしょう。
また、ときどき、
「憲法24条は、異性婚と同等には同性婚を保護しない」
という憲法解釈を見たりしますが、
これは、
質問1や質問2への回答として
「憲法24条で同性間同居契約などが禁じられる」といっているわけではなく、
質問5への回答として、
「同性婚制度を設けなくても24条に違反するとは言えない」という意味の記述ですね。
そもそも、「同性婚」、「婚姻」、「憲法が認めている」、「両性」といった言葉を使うとき、
意味が曖昧なことがあるので、
その都度確認しましょう、という事かと思います。