破裂しそうなお腹 アルパチーノにはなれなかった。

数日前、妻と二人、黙々とランチ。
ウヰスキーロックを飲みながらスマホを見る。
唐突に妻が言った。
「うあ！破裂しそうなお腹」
広告チラシを突きつける

「針で刺したら、凹むかしら」
屈辱的言葉を無視。
返す言葉は
「最近　足の浮腫みが酷く
桜上水事務所からの帰宅電車では
靴がはち切れそうになる。
静脈瘤検査では健康な脚との判定。
寝る時は、クッションに足を乗せている。
2日後、ベッドに変てこりんなクッションがあった。
妻がニトリから買ったリラックスクッション。

寝る時、長時間　トランス作業中
椅子に腰回りをあてる。
なかなか良い。
新婚当時、新妻は言った。
「私は長女なのでお兄ちゃんが欲しかった」
「目鼻立ちが深いのに憧れたの」
「残念なのは、小柄なことね」
「そうか　俺はアルパチーノのか」
年年歳歳、肉と皺は増え
歳歳年年、顔と髪は艶がなく
年輪を経てその男の辿った人生が顔に現れる。
政治家は、正面横を見ても悪相。
創業者は、風格ある顔立ち。
ヤクザ親分は、強面。
歌舞伎役者は白粉仮面
郷ひろみは　スター顔


では、俺の顔は？
75歳　不条理の世の中を生き抜いた。
https://blog.goo.ne.jp/kikuchimasaji/e/8609f47efb3156fb1353b8b4cd45e93d

それにしては、貧相だな！


映画ゴッドファーザー上映が始まった頃
観たが、格好いいと思っただけだが
人生が終わりのカウントダウンの通低音が
静かに忍び寄る。
再度、ゴッドファーザーを観る。
貧しい少年時代から青年
壮年、老年を経て終末。
家族愛、肉親を命がけ守る
組織を守るため先制攻撃
小柄な体に顔にはスカーフェイス
黒の澄み切った目には
絶えず哀愁と憂いが漂う。


僕はアルパチーノにはなれなかった。
ただの、護岸に打ち寄せる白波を見詰め
過ぎ去った波乱の波を喘ぎ喘ぎ息継した。



アル・パチーノ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%8E

ゴッドファーザー最終章



ゴッドファーザー最終章2


ゴッドファーザー最終章


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