12月13日(火)
前立腺癌入院検査1 の続き
手術台に乗る。
手術台の縁に腰掛ける。
低い丸椅子が足元に置かれた。
丸椅子に足を乗せ、両手を前に抱え込み
頭を下げた。
手術メンバーに言った。
「まるで、高崎山のサルが日向ぼっこしているようですね」
女性看護師が「とても上手い表現ですね」
メンバーは和んだ。
丸まった状態でお尻の背骨に腰椎麻酔を打つ。
ベッドに横たわり
両足広げて万歳
中学時代、理科実験の蛙解剖の状況。
全身麻酔ではないので
医師の言葉は聞こえる。
「6年前に手術したことを思い出しましたか」?
「若かったら、記憶を呼び戻すとも可能ですが
私の脳は、ビッグバンの如く、実6年以上に記憶は遠ざかっています」
「なので、電波望遠鏡が脳に装着しないと見えません」
それと、天井だけを見ていたので実景が浮かびません」
それと。前回は恐怖感もあったので頭を無にしていました。
肛門にハンマーを打ち込むような音が
腹から響いてくる。
多少は、肛門は痛むが怖くはない。
終わった。
医師が、寝転ぶ顔に小瓶を見せる。
透明の液体に白い糸状が浮いている。
医師が言った。
「前立腺の組織を15本採りました」
これを専門医師が検査して
27日に結果判明します。
手術待合室にストレッチャーで運ばれる。
妻に医師が説明する。
傍らにいた女性看護師が
「娘さん、安心してください」
妻に話しかける。
妻は戸惑いの顔。
私も一瞬、会話が理解できない。
どうやら、付き添い人を
私の娘と思ったらしい。
看護婦も勘違いに気付いて
「綺麗で清潔になさっているから」
恥ずかしそうに苦笑い。
この言葉は、非常に重大。
私がものすごい爺さんに見えたのだろうか?
寝間着姿、髪ボサボサ、無精髭
実年齢よりずっと老けて見えた?
それとも、妻の実年齢よりずっと若く見えた?。
どちらも、若く見えるのが良いのだが。