ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

ペットを飼う高齢者は認知症発症の確率低下

2024-05-21 10:38:22 | 健康・医療
私が子供のころはずっと犬を飼っていましたが、今の家になってからしばらくペットはいませんでした。

結婚してからネコを飼うようになり、今では家猫1匹と保護猫3匹で、ネコにまみれ生活しています。

ペット飼育は認知症の発症する確率を低下させるといった研究結果を、昨年東京健康長寿センターの研究チームが公表しました。介護費抑制につながるという別の調査結果もあり、高齢者福祉とペット問題を考えるうえで注目されています。

認知症に関する調査は、東京在住の高齢者1万1194人(平均年齢74.2歳)を対象に、2016年〜20年の介護保険データから。認知症の新規発症者を分析しました。対象のうち調査開始時点でイヌを飼っている人は959人、ネコを飼っている人は704人いました。

追跡期間の4年間に認知症を発症した人について調べたところ、イヌの飼い主はイヌを飼っていない人に比べて発症する確率が40%低いことが分かりました。イヌの飼い主のうちでも、運動習慣があり社会的に孤立していない人の確率が特に低かったようです。

一方ネコの飼い主については、ネコを飼っていない人との間に意味ある差はみられなかったとしています。この結果について研究チームでは、イヌの散歩などを通じた運動や地域住民とのつながりの影響が考えられると指摘しています。

研究チームはまた、ペット飼育が介護保険のサービス費用を抑制するという研究結果を昨年2月に公表しています。こちらは埼玉県鳩山町の高齢者460人(平均年齢77.7歳)のデータに基づいた調査で、ペット飼育者の割合は全体で20.9%でした。

ペット飼い主とそれ以外の人との間で、病歴や要介護度などの身体状況には意味ある差はありませんでした。2016年1月〜17年6月の18カ月の医療・介護費を分析したところ、両グループの月額の医療費には意味ある違いは生じていませんでした。

しかし介護サービス費用については、ペットを飼っていない人と比べ、ペットの飼い主は約半額に抑制されていることが分かったとしています。研究チームは、ペットの飼育が介護費用の抑制に寄与することが示唆されたとしています。

高齢者のペット飼育については、病期や加齢などでイヌネコの世話ができなくなる飼育崩壊、ペットがいることで高齢の飼い主が入院や施設入所を拒むなど、様々な課題が指摘されています。

研究チームは、ペットを飼うことは個人の健康促進に効果があり、社会保障費も軽減されます。高齢者のペット飼育を抑制するのではなく、飼うことをサポートする仕組みが必要と述べています。私は当分ネコとの生活を楽しみたいと思っています。


一週間遅れとなった定例麻雀

2024-05-20 10:34:52 | ギャンブル
先週はSKさんが用事があるという事で、一週間遅れて定例麻雀を開催しました。

私は電車が一台前に乗れたため30分以上前に雀荘に着き、ビールを飲みながら待っていましたが、すぐにH君とSKさんが見えました。STさんも少し遅れて(集合時間20分前ですが)来て、すぐに始まりました。

最初の半荘は私がチイチャでしたが、実は私はこれがあまり好きではありません。それでも東の1局は配牌もよくドラも2枚ありましたので、順調にタンヤオドラ2で上がれましたので、好調な滑り出しといえそうです。

しかし南場の親の時、STさんにメンピン3色自摸ドラ1の跳満を上がられ、残念ながらこの半荘は2位となってしまいました。次の半荘に大きなチャンスが来ました。配牌で白発中が対子で、すぐに発が暗刻になったのです。

これならば簡単に大三元が出来そうな形でした。ところが白も中も出ないのです。三元牌が一枚も出ないで進んでいき、私は白と中の待ちで聴牌しそうになってきました。このままSKさんが軽く上がってしまったのですが、何とH君が白と中が配牌で対子だったのです。

まあ麻雀にはこういった偶然もありそうですが、期待が大きかっただけに非常に残念でしたが何とかこの半荘も2位で治まりました。

それでもかなりついていたようで、ピンフドラ1で上がるつもりでしたが、ドラを持ってきてしまったためそれでリーチをかけたところ、一巡で自模りしかも裏ドラまで乗って何もない手が跳満まで行ってしまいました。こういったこともあり無事トップが取れ一安心でした。

今回はあまり素晴らしい手は出ませんでしたが、SKさんのリーチ自摸、三暗刻、南、ドラ1の跳満が最高だったような気がします。この時H君が親だったのですが、振り込んだ方が安かったとぼやいていました。

今回はわりとスムーズに進みましたので、5回目の半荘をすることにしました。ここで私の親が来たとき若干沈んでいたのですが、SKさんとSTさんがリーチをかけて来ました。その回に私もピンフドラ2を聴牌し、待ちが2,5,8ピンと3面待ちでしたので、開きリーチで追いかけました。

1巡で3人がリーチというのも珍しいのですが、どうも我々は開きリーが少なくなっていました。2人とも待ちが悪かったようで焦っていましたが、親としては最後の勝負のつもりでした。比較的早く5ピンを自模り、親の跳満となりましたので、最後もトップを取ることができました。

結局トップ2回、2位3回でマイナスになることがなく断トツの1位で終了しました。最後までツキが無かったH君が大きく沈んで終わりました。やりこういった麻雀は本当に楽しい時間といえます。

科学的根拠が貧弱すぎる機能性表示食品

2024-05-19 10:36:08 | 化学
最近ドラッグストアに行くと、健康食品などサプリメントを含めた売り場が非常に広い面積を占めています。

私は基本的に通常の食事をとっていれば、不足する要素はないと思っていますので、こういった類を買ったことはありませんが、いわゆる健康ブームで売れているのかもしれません。

食品衛生法第4条には、この法律で食品とはすべての飲食物をいう。ただし医薬品、医療機器等の品質、有効性安全性の確保等に関する法律に規定する医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品はこれを含まないとあります。

要するに医薬品と医薬部外品以外は食品であるという事です。食品はさらに機能性を表示できる「保健機能食品」と表示できない「一般食品」に区分されます。いわゆる健康食品は多数ありますが、機能性が表示できないという意味ではあくまでも一般食品です。

トクホは消費者庁の審査を経た製品であり、許可された範囲内で保健効果を記載できます。トクホであることはヒトを対象に行った実験研究において、ある測定項目の差が統計的に有意であったことを意味しています。

しかしこの有意差が実用的に意味を持つものかどうかは考慮されていませんでした。たとえば食後の血糖値の上昇を数ミリ抑制する保険効果を持つトクホがあった場合に、これを食べることが将来的に糖尿病の予防につながるか否かは全く考慮されていないのです。

トクホは医薬品ではなく食品ですので、効果は小さくて当然です。その効果の小ささが消費者に十分伝えられていないことが問題です。

許可要件として健康の維持増進に寄与することが期待できるものであることさえ要求されていませんので、トクホの存在にどれほどの意義があるか疑問となっています。

機能性表示食品の表示しようとする機能性は、「目の調子を整える」「睡眠の質を向上」「疲労感の軽減」など、トクホでは認められていないものがいくつも登場しています。問題はこの科学的根拠が貧弱極まりない点にあり、表現に問題のある広告も既に出ています。

たとえば「内臓脂肪を減らす」と機能性を表示するヨーグルトの広告は、内臓脂肪面積の減少を図示していながら、体脂肪率が増加したことには言及していません。

その機能性はわずかなもので、食品とは本来そう云うものでありもし医薬品並みの「効果」を発揮したら今度は副作用が心配になります。

エネルギーや栄養素を適切に摂取することの重要性を覆い隠してしまうかのような「機能性幻想」は持つべきではありませんが、残念ながらこれとは逆に幻想をあおるかのような制度が次々につくられているのが現状といえるようです。

女性が自己免疫疾患に掛かり易い訳

2024-05-18 10:33:01 | 健康・医療
私が派遣社員として勤務していた研究所の女性が、膠原病という自己免疫疾患にかかっていました。普段は元気なのですがちょっとしたことで不調になってしまうようでした。

免疫系は、身体を病気や感染症から守ってくれています。しかしおよそ10人に1人(その8割が女性)は、免疫系が不調となり、自分自身の細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患にかかります。

最近の研究によると、男性より女性がかかりやすい理由は、女性が持つ2つのX染色体のうち1つを停止させるメカニズムと関連している可能性があるようです。女性の体の細胞では、Xistとよばれる分子の働きで、2つあるX染色体の1つが不活性化しています。

スタンフォード大学の研究は、このXistが自己免疫反応を引き起こすもとだと示唆しています。自己免疫疾患は、多発性硬化症、関節リウマチなど80種類以上にのぼります。その大半は思春期以降に診断が下され、患者の8割は女性です。

そのため男女差の主な理由は女性ホルモンにあると考えられていました。女性の方が自己免疫疾患のリスクが高いのは、自分の子供の命を守るためという説もあります。女性は男性よりも抗体を多く作る傾向にあり、それが母乳を通して女性と赤ん坊の両方を守るとしています。

女性の体の各細胞には2つのX染色体があります。1つは母親から、もうひとつは父親から受け継いたものです。男性はX染色体は母親から、それよりずっと小さいY染色体を父親から受け継ぎます。

X染色体上にある遺伝子の活動が男女で同等になるように、女性のすべての細胞内では、X染色体のうち1つがランダムに不活化します。これは胎児の発達段階の初期に、Xist分子とそれに結びつくタンパク質が、X染色体のうち1つにまきついて起こります。

メスのネコに三毛猫がいるのは、このX染色体の不活性化が原因です。三毛猫の場合3色のうち黒か茶色を決める遺伝子がX染色体上にあるため、毛の一部は一方のX染色体によって黒に、また別の部分はもう一方のX染色体によって茶色になります。

他の染色体にある別の遺伝子が働くと白くなります。しかしX染色体のこうした仕組みは完璧ではなく、不活化されたはずの遺伝子の15〜23%はそのまま活性を保ちます。活性が保たれる遺伝子のひとつは、全身性エリトマトマトーデスと関連があると考えられています。

またX染色体を余分に持って生まれた男性も自己免疫疾患を発症するリスクが高いことからも、X染色体の重要な役割がうかがわれます。

このようにX染色体の不活化が自己免疫疾患につながると言われても、どうしようもない問題のような気がします。

iPS細胞から結石を溶かすマクロファージを作成

2024-05-17 10:32:36 | 健康・医療
私は経験がないのですが、尿路結石の痛みは本当にひどいようです。

私が大学に研究生として行っていたころ、後輩に今夜あたり結石の痛みが出そうだから泊ってくれと頼まれました。予感どうり夜中に痛みが出て、彼の車で近くの大学病院に連れていきましたが、本当に痛みがひどそうでとても一人では対処できそうもありませんでした。

この結石を溶かす免疫細胞のマクロファージを、ヒトの血液細胞より生成されたiPS細胞から作ることに名古屋市立大学などのグループが成功しました。患者が増えている尿路結石の予防薬や溶解を促す治療薬の探索に役立つと期待されています。

尿路結石は腎臓内で形成された結石が、尿の通り道である尿管を詰まらせる病気で、背中などに強烈な痛みを起こします。結石の長径が1センチまでならば、尿と一緒に自然に体外へ排出されるのを待つのが一般的な治療法で、大きい場合には衝撃波や内視鏡を用いて破砕することが多いようです。

再発率は5年で50〜60%と高いですが、効果的な予防法は約2000年前からずっと「十分な水分を摂取する事」とされています。名古屋市立大学の研究チームは、2007年にマウスを使った研究で尿路結石が自然に消える現象を発見しています。

2009年から10年にかけては、マクロファージが結石を溶かすことが分かりました。その後炎症を引き起こして結石の形成を進めるとされるマクロファージとは別の型のM2型マクロファージが結石の予防に役立つことを明らかにしました。

ヒトの血液からマクロファージを多く取り出すのは難しいため、ヒトiPS細胞から大量のマクロファージを生成し、結石を溶かすことができないかを確かめました。iPS細胞はヒトの血液細胞から生成し、約1カ月かけてマクロファージに分化させました。

生理活性物質を使って炎症性のM1型マクロファージと抗炎症性のM2型マクロファージを分化させ、尿路結石のおよそ8割を占める成分であるシュウ酸カルシウム水和物を加えて観察すると、M2型は移動し周囲の結晶を溶解しました。溶解率は最大でM1型の5.6倍に上りました。

マクロファージそのものを培養して結石を溶かす薬剤にするのはコスト面から現実的ではないが、既存薬などから転用できるものを見つけ出す「ドラックリポジショニング」を行う際に、結石の予防や溶解に有効な薬剤を見つけるために使えるとみられるとしています。

実際にこういった薬剤を見つけるまでには、かなり時間がかかるかもしれませんが、尿路結石治療薬の新たな開発の方向といえるのかもしれません。またこういった方向がiPS細胞の有効利用になることは確かです。