ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

情報不足が招く患者の不利益

2024-05-26 10:36:57 | 健康・医療
私はこのブログに書いたりするために、色々な病気特にガンについては情報を集めるようにしています。

それでも専門家である医師などとは情報量に大きな差があり、対等に話をすることは難しいのかもしれません。

「情報の非対称性」という言葉があります。ビジネスの世界で使われる言葉であり、市場で取引される商品やサービスについて、供給者が消費者に比べて情報を多く持っているなどの状態を表します。

情報の非対称性が大きくなると、消費者は商品の購入を控えるようになったり、市場取引が円滑に行われなくなったりするといわれています。医療や介護の分野においても、専門職と利用者(患者)の関係に当てはめることができそうです。

つまり情報の非対称性を放置すると、医療や介護のサービスがそれを本当に必要とする利用者(患者)に届きにくくなり、利用者にとって不利益になる選択を行うことに繋がります。情報の非対称性を縮めるためには、医師が患者の身になった分かりやすい情報提供を行う必要があります。

しかしそれができる医師は多くないようです。患者には情報を調べる力があっても、医療の専門知識に基づくものではなく、当然入手できる情報の質と量には限りがあります。その結果患者は不安の渦に飲み込まれることになります。

これを助けるためにケアマネージャーという制度があります。ケアマネージャーは地域の医療職ともつながり、患者の不安解消に一役買うこともできます。例えばケアマネージャーは、仕事仲間の看護師に病院の評判をヒアリングし、その結果をもって患者に説明することもできます。

こういった情報サポートの必要性は高いと言えるようです。この記事では甲状腺の未分化がんの可能性を医師から告げられた患者の不安について例示しています。この医師もあまり情報提供をせず、未分化ガンへの不安が大きかったようです。

現在はインターネットなどである程度の情報は入手できますが、その真偽などには怪しい部分もありなかなか不安解消とならないようです。この例の患者は精密検査を受けるまでに、前述のケアマネージャーなどからも助けられたようですが、検査を受けること自体が大きなストレスでした。

それでもある程度の情報を受け取り、意を決して検査を受けたところ、幸いにも腫瘍は良性で、手術の必要もないという結果でした。

この例のように結果的に問題が出ないケースも多いのですが、検査の遅れなどで治療開始が遅くなってしまうこともあるとしています。この情報の非対称性をどうするかは、医療現場では重要な問題といえそうです。

痩せた女性に糖尿病のリスクが高い

2024-05-25 10:33:59 | 健康・医療
私は若いころからひょろひょろのやせ型で、常にもう少し太りたいと思っていましたが、77歳の今まで太ったことはありません。

こういった体質というのはどうにもならないようで、何度か目標体重を設定し、それに向けて一応努力しましたが一度も達成できていません。

最近痩せた若い女性に糖尿病のリスクが高くなるといったニュースを見ました。国の調査で、20歳代の20.7%は体格指数(BMI)が18.5未満の低体重(やせ)となっています。BMIは体重(キロ)÷身長(メートル)÷身長で求めます。

成人女性全体でも10人に1人がやせで、欧米や中国、韓国と比べて多く、健康への影響が心配されるようです。やせていると月経異常や貧血、骨粗しょう症になりやすいと分かっています。低出生体重児(2500グラム未満)の増加も、母親のやせが関係すると考えられます。

最近糖尿病のリスクが高いことも明らかになりました。順天堂大学が18〜29歳の女性を対象に行った研究では、低体重の人の13.3%が血糖値が上がりやすく、糖尿病予備軍とされる「耐糖能異常」でした。米国の肥満者(19〜34歳)の異常10.6%より高い割合です。

一方BMIが18.5以上25未満の標準体重の人の異常は1.8%でした。耐糖能異常だった低体重の女性は、血糖値を下げるホルモンのインスリンの分泌が低下しているだけでなく、ききめも弱まっていました。これは従来肥満の人の特徴とされてきた状態といえるようです。

さらに体の組成、食事、運動の状況を調べると、標準体重の人と比べカロリー摂取量、筋肉量、運動量がどれも低くなっていました。見た目はやせていても、体内で十分なエネルギー代謝が行われず、筋肉などに脂肪が蓄積する隠れ肥満といえるのかもしれません。

エネルギーの低回転という悪循環から抜け出すには、強弱をつけて少し負荷のかかる運動をする、3食をバランスよく食べる、という意識が大切です。運動は細切れでもよく、できるだけ階段を使うなど小さな一歩から踏み出すと良さそうです。

女性の健康を高める産官学プロジェクトが16〜23歳の女性1000人に行った意識調査で、約8割にダイエット経験がありました。標準体重以下の大半が太ることが怖い、やせの人でも半数がやせたいと回答するなど、過剰なやせ願望がうかがえ、社会全体の意識改革が必要なようです。

この辺りはやせ型を好む男性の態度も問題なのかもしれません。GWのとき長男家族と次男家族が集まりましたが、孫たちも全員(男2、女2)細く、どうもやせ型の体質が遺伝してしまったような気がしています。

なぜヒトの睡眠は2種類あるのか

2024-05-24 10:32:37 | 自然
私は健康は食事と睡眠からをモットーにしています。食事に関してはかみさんに任せていますが、それなりに注意しているようです。

睡眠に関してはゆっくり眠れるように工夫していますが、大体7時間か7時間半ぐらいで自然に目が覚めています。途中トイレに行ったりもしますが、すぐ寝つけており今のところ問題はないようです。

睡眠に関してはなぜレム睡眠とノンレム睡眠があるのかは疑問ですが、実はこれは非常に難しいようです。

地球上全ての生物が共通の祖先からその子孫へ枝分かれしながら進化したとする進化系統樹に沿って動物の睡眠状態を観察すると、系統的に古い順に昆虫、魚類、両生類、爬虫類くらいまではレム睡眠もしくはそれに類似した行動しか認められません。

レム睡眠に類似した行動とは、巣穴など安全な場所で一定時間周期的に動かなくなる現象のことで、レム睡眠中は骨格筋が弛緩する特徴があり、その原型がこの不動状態だと考えられています。

一見生き残りには不利とも思える不動状態を特徴とするレム睡眠が自然淘汰の過程でなぜ残ったのでしょうか。何らかのメリットがあるはずで、「巣穴でじっとしていれば外敵に遭遇せず安全だから」「筋肉の収縮は大きなエネルギーを消費するため、レム睡眠状態になることで省エネと飢餓対策になる」など諸説あります。

一方のノンレム睡眠がしっかり認められるようになるのは、系統的により新しい鳥類や哺乳類からです。進化が進むにつれてノンレム睡眠の発生源である大脳皮質や間脳と呼ばれる新しい脳が発達するためです。

特に大脳皮質が発達した霊長類では、ノンレム睡眠の中でもより深いノンレム睡眠(徐波睡眠)の占める比率が大きくなります。深いノンレム睡眠中には大脳皮質の活動性の指標である脳波は、周波数の遅いデルタ波が大部分となります。

実際脳の温度や脳血流は低下し、大脳皮質細胞のエネルギー源である糖の利用率も下がるなど代謝も減少します。これらのことから、深いノンレム睡眠は「覚醒中にオーバーロードになった大脳皮質細胞のクールダウン」のために進化の過程で出現したなどの説が提唱されるようになっています。

レム睡眠の出現時刻は体内時計で決まっていることが先行研究から分かっています。実際寝ついてからの90分〜120分経った頃に最初のレム睡眠が出現しますが、その持続時間は短いです。睡眠後半になるほど持続時間が長くなり、明け方のレム睡眠が最も持続時間が長くなります。

このように体内時計で決まっているレム睡眠と、脳を休ませるためのノンレム睡眠の組み合わせてよって、理想的な睡眠が得られているといえそうです。

人類によって生み出された「人工元素」は何種類

2024-05-23 10:32:31 | 化学
少し前に原子を取りあげましたが、実はこの原子が私が宇宙に興味がなくなった原因のひとつです。

宇宙に進出すれば地球にない新しいものが見つかるだろうと考えていました。ところが原子は既に知られている118種類以外は、たとえどんな宇宙であっても存在しないことが分かりました。

つまり膨大な金をかけて宇宙に進出しても、想定内の物しか発見されないことが分かり興味がなくなってしまいました。

原子の基本を確認しますが、原子は陽子や中性子で作られた原子核と、周囲を取り巻く電子から成り立っています。陽子の電荷はプラス1なので、電荷がマイナス1である電子の数は、足し合わせた電荷がゼロとなるように決まります。

この原子の持つ陽子の総数、陽子数のことを原子番号と呼びます。原子番号が変われば電子数も変わるので、それに応じて原子同士のつながり方が変わり、様々な分子が形成されます。このような原子の科学的性質を表わすために、異なる原子番号ごとに「元素」という言葉があてはめられました。

水素や鉄、鉛など天然には94種類の元素があります。地上には150万種もの動植物が暮らしていますが、生物に限らずすべての物質がこれらの元素の組み合わせでできていることになります。

古代エジプト時代から20世紀初頭までの長い間、変色せず加工性に富んだ金を他の物質からつくる錬金術という試みが盛んに行われましたが、企てはことごとく失敗しました。1919年に、アルファ粒子を窒素に照射すると、陽子が飛び出してくることを発見しました。

このとき窒素が酸素に変換されました。この反応を「原子核反応」と呼んでいます。原子核を高速で他の原子核にぶつければ、原子核反応を起こせることが分かりました。そこで効率的に反応を起こして原子核を研究するために、原子核を高速に加速する加速器の開発が始まりました。

1963年発明されたばかりのサイクロトロンという加速器を使って重水素を加速し、原子番号42のモリブデンに照射するという実験を行いました。その結果、地上では当時見つけられなかった43番元素のテクネチウムを発見しました。

これが人工的に生成された初めての元素でした。テクネチウムに加えてこれまでに61番元素のプロメチウムと85番元素のアスタチン、118番元素のオガネソンなどの29種類の元素が、人類によって生み出されました。

ただしテクネチウム、プロメチウムなど5種類は、後の研究で微量ながら地上に存在していることが明らかになりました。理化学研究所の研究グループが生み出した113番元素は、2016年にニホニウムと名付けられました。

電動アシスト付自転車のメリット

2024-05-22 10:34:25 | その他
私は最寄り駅の付近や近くのスーパーなどには、自転車で行くことを基本にしています。

私の自宅付近は丘陵地帯ですので、緩やかな上り下りが多く3年ほど前から電動アシスト付自転車(以下電動自転車)を愛用しています。

これに慣れてしまうと、普通の自転車は非常に重く(電動自転車のスイッチを入れない時)、既に電動自転車以外は乗れないような気がしています。最近この電動自転車には、一部の人たちが思う以上に健康上のメリットがあるという記事を見ました。

これによると筋肉が強くなる、寿命が延びる、心臓の健康が改善される、汗をかかず目的地に到着できるなど、既に証拠が得られているプラスの効果のようです。身体活動は、心血管疾患、ガン、糖尿病を含む複数の病気のリスクを軽くすることが分かっています。

電動自転車に乗っている時の運動の強度は、これらの健康効果をもたらすのに十分としています。電動自転車は世界中で利用が急増しています。

米エネルギー省のデータによると、2,019年に米国内で販売された電動自転車は28万7,000台だったのが、2022年には110万台に増えています。日本でも2019年には69万8000台で2022年には79万5000台となっています(経済産業省の生産動態統計)。

またスイスでは、販売される自転車の7台に1台は電動自転車であり、中国の多くの地域では自転車より多くの電動自転車が走っているとしています。

電動自転車に頻繁に乗ることで、肥満とそれに関連する疾患のリスク低減、心拍数の改善、筋肉の増加と引き締め、肺活量や最大酸素摂取量の増加が期待できるようです。

ペダルを漕ぐことで下半身の筋肉を強くし、ハンドルを握ったり直立の姿勢を保ったり、バランスをとったりすることで上半身の筋肉を強くします。また様々な研究から、電動自転車は血糖値の管理に役立ち、BMIを改善し、さらには関節に優しいすばらしく低衝撃の運動になるとしています。

実際心血管系および呼吸器系への恩恵は、電動自転車も従来の自転車もほとんど変わりません。

米ブリガムヤング大学の研究で、マウンテンバイクに乗り慣れている参加者を集め、電動自転車と従来の自転車に乗ってコースを走ってもらったところ、どちらの自転車でも大半の人は「高強度の運動の心拍数ゾーン」に入っていたことが分りました。

別の論文では電動自転車に乗った時の酸素摂取量は最大酸素摂取量の51〜73%、従来の自転車では58~74%とほぼ変わりませんでした。

このように楽に乗れる電動自転車でも、色々な健康増進効果があるようですので、もっと頻繁に利用しようかと考えています。