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脳の誤った通説、脳の10%しか使っていない説

2024-05-03 10:32:21 | 健康・医療
近年脳科学は大いに進展し、ブラックボックスであった脳が徐々に分かってきたような気がします。

また心理学なども進み人の魂なども徐々に解明されているようです。この過程で誤った通説なども生まれてきましたので、ここではそういった物の解説記事を紹介します。

まず人が「左脳タイプか右脳タイプか」という発想は不朽の概念となっているようです。脳の左側部分は論理的、右側は創造的であると擬人化され、人の個性やスキルはどちら側の脳が支配的かによって決まるという考えです。

脳の左半球と右半球は対称的に配置されていますが、両者は非対称的に成長し機能することが分かっています。いずれも1000億個近いニューロンが識別可能な領域に位置しており、特定の役割のために調整されています。

2つの半球は協力して機能しますが、それは直観的に思っているような意味ではありません。例えば脳は目から入って来る視覚情報を脳の後方にある後頭葉を通じて処理します。しかし左半球は右の視野から来た情報を処理し、逆も同様です。

こうした非対称性にもかかわらず、通常の認知機能が左右どちらかの半球だけで起きていることを示す証拠は事実上存在しません。左右の大脳半球をつなぐ脳梁は、両半球間での広範なやりとりを可能にし、脳の活動が両者間で連携する手助けをしています。

左脳的/右脳的思考という考えは、便利な枠組みに思えるかもしれませんが、最終的には科学的事実と一致しません。分析的思考にたけた人もいれば、創作活動が得意な人もいるだろうが、こうした長所とどちらかの半球が支配的であることを確実に結びつけることはできません。

次が人間が脳の10%しか使っていないという浸透している通説です。心理学の世界では人間は「認知的倹約家」であるといわれています。これは合理的であったり現実に完全に一致する決断を下すことが、生き残りにとって必ずしも重要なことではないことを意味しています。

要するに人は何かを考えるときに、しばしば最も楽な道を選びます。この考えが人は脳の10%しか使っていないという発想に繋がったのかもしれません。しかしこの理論は、脳の「全能力」を使うことができないとは言っていません。

もし脳の10%しか使っていなければ、残りの90%に外傷性脳損傷が起きても脳の機能に影響しないことになります。現実には損傷を受けても機能を損なわない脳の部分は存在しません。何をしている時であっても、脳のすべての部分は常に活動しています。

たとえ睡眠中であっても脳のすべての部分が何らかの役割を担っており、そうやって人間が機能することを保証しています。

その他脳が100%使われている例は多いようですが、それでも脳というのはまだブラックボックスのような気がしています。