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睡眠中に心拍数や血圧が乱高下する「自律神経の嵐」

2022-05-23 10:33:01 | 自然
健康は食事と睡眠からというのが私のモットーですので、このブログでも睡眠を取り上げることが多くなっています。

睡眠のイメージは体を横たえ、心身をリラックスするいわば海の凪(なぎ)の状態ですが、この睡眠中に心身が荒れ狂う「嵐」の時間帯があるようです。

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、ノンレム睡眠はさらに浅いノンレム睡眠と深いノンレム睡眠に分けられ、後者は周波数の低い脳波(徐波)が主体となるため徐波睡眠とも呼ばれています。

レム睡眠とノンレム睡眠は一晩を通して交代して出現しますが、最初のレム睡眠は寝ついてから60〜120分後の出現し、以後平均して約90分周期で一晩に3〜5回出現します。レム睡眠は睡眠時間全体の20〜25%を占め、7時間睡眠であれば合計80〜100分ほどのレム睡眠が出現します。

レム睡眠は夢を見やすい事、骨格筋が弛緩することが特徴で、骨格筋の弛緩のためレム睡眠中は寝返りも打てないようです。睡眠時は基本的には身体を活性化させる交感神経活動が低下し、代わりに副交感神経活動が優位になります。

副交感神経により心拍数、血圧、深部体温、体の代謝などがすべて低下する一方、唾液や腸液などが分泌され、消化管の動きは活発になり活動中に食べた食物の消化と吸収が行われます。

睡眠前半に多い深いノンレム睡眠中に副交感神経が活発になり、一日の中で最も心拍数や血圧が低下し、呼吸は穏やかになり深部体温も急降下します。

ところが途中で出現するレム睡眠中に様相が一変し、交感神経活動が突如高まりしかも覚醒中と異なり不安定であるため、心拍数や血圧、呼吸数が乱高下します。

またノンレム睡眠中には皮膚からの放熱や発汗による体温の微調整によって深部体温は緩やかに低下しますが、レム睡眠中は体温調節も不安定となります。この様なレム睡眠中の交感神経機能の急激なアップダウンを「自律神経の嵐」と呼んでいます。

なぜレム睡眠中に交感神経が高まりやすいのかの理由はまだ不明のようです。恒温動物は筋肉を収縮させることで熱を作り体温を保ちますが、自然淘汰を生き残るため筋肉を弛緩させることで消費エネルギーを節約する時間帯がレム睡眠の始まりとする説もあります。

本来睡眠中は最も無防備な状態となりますので、飢餓を避けるための省エネとはいえ長時間連続してレム睡眠をとることは危険です。こういった名残が分割して出現するレム睡眠と自律神経の嵐なのかもしれません。

こういった自律神経の嵐が、睡眠中の身体に何らかの悪影響はないようですが、ふと夜中に目が覚めた時ドキドキしているなどという経験はその前に自律神経の嵐に襲われていたのかもしれません。

これは進化の歴史の一部かもしれませんが、睡眠中にも色々なことが起きていることは確かなようです。


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