HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

ホタルブクロ(蛍袋)

2021-06-30 | 夏 白色系

ヤマホタルブクロには、萼と萼の間に付属片が無く、
ホタルブクロには萼片の湾入部に反り返る付属片がある。
このような解説が両者の区別点として説明されている。
萼片に反り返る付属体…なのだけれど
時にはこの萼片が筒状の花に変化した「二重咲き」が報告されている。


















(2021.06.05 明石公園)






▲ 真下からの図、何処に焦点当てるかで違った画像になる。▲
訪花昆虫の滑り止めの役割を果たしているのがこの花被片内部にある毛。
中心部のめしべに焦点合わせるとこの毛はボケる。倒れたおしべに焦点当てるとめしべもボケる。

(2021.06.09 須磨離宮公園)




▲ 萼片が筒状花状に変化して「二重咲き」に見えるから、外側は萼の変形と言える。▼







(2021.06.07 田町)






(2021.06.22 上の丸)






ホタルブクロ(蛍袋) キキョウ科ホタルブクロ属 Campanula punctata
ヤマホタルブクロ(山蛍袋) Campanula punctata var. hondoensis
学名のCampanula punctata は 、「斑点のある小さな釣り鐘」の意味
(2021.06.29 上の丸)

【再掲 おしべ・めしべの動き】
 
▲ おしべが花粉を出し終える頃、めしべが立ち上がってくる。柱頭には花粉が着いているのだがまだ開いていない。▲
 
▲ 同花受粉を避けるように、開く前に柱頭を覆っていた花粉は、開いた柱頭の裏側(下)になる。
この一連の動きは、キキョウと同じ仕組み。
下向きに咲く花だけれど、花冠の中に細かな毛が密集して訪花昆虫の滑り止めの役目を果たす。▼

ヤマホタルブクロ(山蛍袋) Campanula punctata var. hondoensis 

ホタル、ほたる、蛍。
この花を見ると必ず脳裏に浮かんでしまう一つの小説、野坂昭如の「火垂るの墓」。
戦争体験の無い私は、神戸・三ノ宮の高架下が登場するこの小説の
映画化されたアニメの中でしか、戦時中の混乱期を知らない。
そこに描かれた、貧しさと差別の中で健気に生きた兄妹の切ない物語、
戦時体験の無い私には、切なさだけが残された。
野坂が敢えて「火垂」を使った理由は何だったのだろう。
蛍の語源も、火を下げるという意味の、提燈から来たと言う。
それぞれの思いが、戦中を生きた人たちにはあるのだろう。
蛍の灯りを「暖かい…」、そう言った主人公・節子の優しさを、
この花を見つけるたびに思い浮かべてしまう。
西宮・奥畑にあるニテコ池にも舞台のモデルがあることを知ったのは

学生時代のアルバイトの頃だったし、そこを教えてくれた人と夕暮れに歩いたことも遠いけれど
「火垂の墓」に描かれたのはもっともっと遠い。

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ホタルブクロ ヤマホタルブクロ オカトラノオ



2 コメント

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綺麗な画像ですね。 (こいも)
2021-07-12 16:50:10
林の子さん
このように綺麗に撮れたならどんなに嬉しいでしょう。
雌雄のしべの動きが手に取るように良くわかります。
萼片が筒状花状に変化して「二重咲き」に見える・・・初めて見ました~~~びっくりです。
外側は萼の変形なのですね~すごいです。
こんな状態になるとはホタルブクロって素敵ですね。
花冠の中の細かな密集する毛は訪花昆虫の滑り止めの役目を果たしているのですね。
どこを取ってもどこを見ても感動しました。
また見る機会を得た時にはしっかり観察できたらと思います。
その前にカメラの使い方も勉強しなければいけないです。
ありがとうございました。(#^.^#)
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筒状の花。 (林の子)
2021-07-12 17:42:07
おしべとめしべと花びらが揃って「花」
そうすると、花を撮る人の多くはやはり目だつ花びらを撮るのでしょうね。
携帯電話のカメラでもそれなら充分に撮ることが出来るので
「花の画像」を基にした検索ツールが重宝だと言われるのでしょう。
おしべ・めしべなどに拘ると、俄然その種のツールは役立たない。
やはり何処を撮りたいかで、焦点の当たる、当てる場所も変わってきますから。
カメラの使い方と言うよりも、何処を撮るのかだと思います。
特に筒状の花は、横からの画像が多くて撮りやすいですから
おしべかめしべかだけでも大いに違ってしまいますね。
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