Part 3 利根川氏 脳研究の先端を語る
昔むかしの懐かしい写真
利根川さんとの写真をネームカードに!!
現在の私、現在の利根川さん
とっても面白く怖いお話です。
研究者は若いです。今年76歳とは見えません!!
吾輩は気持はいまも研究者??!!
今年69歳とは見えません???
利根川氏「記憶操る手法確立」 脳研究の先端を語る 2015/6/29 1:30日本経済新聞 電子版
ノーベル生理学・医学賞受賞者の利根川進氏が、欧米などが激しく競う脳科学研究で存在感を放っている。日本経済新聞のインタビューで「脳の記憶を操る研究手法を確立した。将来はアルツハイマー病やうつ病を治せるかもしれない。20年後には感情豊かな人工知能も作れる」と述べた。いまなお一線に立ち、情熱を注ぐ脳研究の現在と未来を語った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/63/e35e6244bb74e42ba52335968dce3eaf.jpg)
利根川進 理研脳科学総合研究センターセンター長
――米マサチューセッツ工科大学(MIT)教授や理化学研究所脳科学総合研究センター長を務めています。2011年から英科学誌ネイチャーや米科学誌サイエンスに8件の成果を発表し、いずれも脳の記憶が主題です。
「こだわりのテーマで論文発表を続けるのは、映画『男はつらいよ』の寅さんシリーズを毎年公開している気分だ。マウスの実験では、記憶を操作できるようになった。光に反応するたんぱく質を脳の神経細胞に組み込む光遺伝学を発展し、記憶をためる脳神経回路のスイッチを光の照射で入れたり切ったりできる。ここから一連の研究が始まった」
「12年にはマウスの実験で、記憶をため込む神経細胞の集団を見つけた。ドイツの生物学者が提唱した、記憶を刻む『エングラム』と呼ぶ細胞の存在を証明し、100年来の謎を解いた」
「別のマウス実験では、楽しい記憶を人工的に呼び起こすと、うつ症状を改善できた。アルツハイマー病で引き出せなくなっている記憶を読み出す研究もしている。記憶の長さの違いや、嫌な記憶を忘れる仕組みにも興味がある」
――1987年のノーベル生理学・医学賞は免疫にかかわる数々の抗体たんぱく質ができる仕組みの研究が評価されました。なぜ脳研究を。
「私には前世がある。ノーベル賞を取る前、免疫学の研究をしていたのは前世であり、今の自分ではない。脳研究をやっている今が現世だ。2010年ごろから、人間はどうやって記憶を作っているかという謎の解明に取り組んでいる」
「記憶は人間の情緒や決断、認識などに密接に関わる。ここ20年で脳を研究するテクノロジーが幾つも出てきた。1970年代の分子生物学が、がんの研究などを押し上げたのと似た状況だ。記憶の研究をやっていれば、しばらくは面白いテーマは尽きない」
――脳研究は急速に進歩しています。2045年には人工知能が人間の能力を上回り、人類の脅威になるとの意見もあります。「45年問題」をどう考えますか。
「人工知能は大きな問題になってくるだろう。人間というのはできることはなんでもやる。脳が欲している。人間を滅ぼすことにつながってもだ。楽しい、怖いなどの情緒を操る脳の回路がわかってきているので、好き嫌いで動くロボットを作り出せる。ロボットが人間と戦うような事態が起き、どう規制するかも問題になるだろう」
「理研脳科学総合研究センターはまもなく最初の20年が終わり、次の20年の計画を練っている。人間の脳でわかった原理を人工知能のプログラムに織り込みたい」
――基礎研究の重要性を説いています。
「医療に役立つ成果を出せといわれるが、基礎研究は時間がかかる。がんや免疫、幹細胞研究は1970~90年代に基礎がものすごく蓄積された。だからいま治療などに応用されている」
「脳研究でも基礎研究の重要性は同じだ。日本は基礎研究者の層が薄い。これでは応用研究もできない。日本にも脳の基礎研究で50億円規模のプロジェクトが必要ですよと様々な場で訴えている」
「米国は研究者の数が圧倒的に多く、オバマ大統領が進めるプロジェクト『ブレイン・イニシアチブ』では脳の基礎研究に投資している。欧州も同じだ。先日、上海を訪ねたら、中国も欧米の動きをみて脳分野で基礎研究をやろうとしていた」
「日本政府は国の研究方針でイノベーションを強く推している。基礎研究費の一部が、応用研究に回っているのは間違いだ。基礎研究の予算を減らすと10~20年後に弊害が出てくる」
――4月から理研が新体制になりました。
「ライフサイエンス関連の研究組織をひとくくりにするかもしれないとの話もあり、戦々恐々としている。脳科学はライフサイエンスの枠にとどまらない。研究がやりにくくなることがないようにしてもらいたい」
3回目の休憩
日が変わりました。
6月29日 午前0時18分
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