調査会社のMM総研が23日発表した国内携帯電話機市場概況によると、今年度上期のメーカー別シェアでNECが前年同期の5位から3位に浮上した。
NECのシェアは、12.9%と前年同期と比べて4.5ポイント上昇した。
●新規需要開拓が奏功
女性向けを中心に機種数を増やし新規需要を開拓、大手で唯一販売台数を伸ばした。一方、市場全体の出荷台数は1981万台と前年同期比21.2%減少し、市場環境が厳しさを増している。
NECは、主力のNTTドコモ向けに前年同期の3倍の6機種を投入。
服飾ブランド「サマンサタバサ」との共同企画製品などで、若年女性の需要を取り込んだ。7月にソフトバンクモバイルへの供給を再開したことも、シェア拡大に寄与した。
●シャープ 5期連続首位
シャープは5期連続の首位を確保したが、昨年度の急成長の反動などで出荷台数を落とし、シェアは23.2%と前年同期比3.0ポイント低下した。
2位のパナソニックモバイルコミュニケーションズは17.0%と3.2ポイント伸長。4位の富士通以下、東芝、ソニー・エリクソンはいずれも台数が減り、シェアは大きく動かなかつた。
MM総研では、今年度適期の総出荷台数は3940万台と前年度比22.4%減少すると予測。来年度以降も3700万台前後で低迷が続くとの見通しを示す。
【記事引用】 「日経産業新聞/2008年10月23日(木)/3面」