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米携帯電話合併反対、司法省が提訴 米連邦通信委員会も難色 AT&Tは徹底抗戦の構え

2011-09-02 | 携帯事業者/世界



 米通信大手AT&Tによる米携帯電話4位TモバイルUSAの買収計画が規制当局の壁に阻まれている。

 米司法省は8月末、買収を阻止するための反トラスト訴訟を起こしたと発表。同買収の可否を判断するもう1つの機関、米連邦通信委員会(FCC)も携帯電話業界2位と4位の合併には「強い懸念」を示す。

 AT&Tは徹底抗戦の構えをみせるが、前途は多難。


●徹底的に争う

 司法省の発表を受け、AT&Tは「法廷で徹底的に争う」との声明を発表。「何度も会合を持ってきたのに、一方的に突然こんな行動に出るとは失望した」と、不信感をあらわにした。

 AT&Tは同日朝、Tモバイルとの合併手続きが完了次第、現在海外で手掛けているコールセンター事業を米国内に移し、5000人の新規雇用につなげると発表したばかり。

 合併は重複人員の削減につながり雇用に悪影響という批判をかわすためだったが、審査機関から買収計画を白紙に戻す圧力がかかる格好となってしまった。

 FCCも決して承認に前向きとはいえない。ゲナコウスキー委員長は「結論はまだ出ていない」と前置きをしたうえで、「我々の審査の過程でも寡占化で市場競争が零われることへの懸念が持ち上がっている」と述べた。

 「扉は開いている」。会見に臨んだ司法省の高官は、AT&Tから買収提案に変更があれば、受け付ける意向を明らかにした。

 ただ、米携帯利用者の約4割を握ることになる大型合併には、消費者団体や中小企業などからの反発が根強く、司法省を納得させるためにはかなりの妥協を強いられる可能性が高い。

 買収が成立しなかった際にAT&Tが支払う違約金は30億ドル。もし全額を支払うことになると、合併不成立による違約金としては史上最高額になるという。

 このため、AT&Tは裁判で争う姿勢を強めているとの見方が有力となっている。




【記事引用】 「日経産業新聞/2011年9月2日(金)/3面」


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