携帯電話業界ブログ

── ケータイ業界関連の記事集.

国内携帯電話メーカー、海外展開を本格化 ラストチャンスの「日の丸ケータイ」、示せるか存在感

2011-11-28 | 端末メーカー/日本



 国内携帯電話メーカーが海外展開を本格化する。

 パナソニックがスマートフォンで2012年春にも欧州市場へ再参入するほか、富士通やNECも世界展開モデルを開発して海外通信事業者と商談を繰り返している。

 国内市場は日本勢の独壇場だったが、米アップルの「iPhone」普及で状況が一変。一定の需要が保証される国内に安住してきた国内メーカーもいや応なしに一度は敗れた海外市場へ挑戦せざるを得ない。


●海外事業者へ売り込み

 パナソニックは、欧州の通信事業者とスマートフォン供給で交渉中。

 話し合いが順調に進めば、05年度の撤退以来の海外市場進出になる。欧州のほか、日本と同じワンセグ放送を採用するブラジルなど南米地域への展開も模索している。

 富士通東芝モバイルコミュニケーションズは、有機ELパネルを搭載した防水薄型スマートフォンをグローバルモデルと位置づけ、海外の通信事業者へ売り込んでいるところ。

 同モデルはすでにNTTドコモへの供給が決まっている。「これだけ薄くて防水機能も付いた端末をつくれるのは世界でも当社ぐらい」(大谷信雄富士通東芝モバイル社長)と技術力に大きな自信をみせる。

 ただ、技術で先行しても、コストでフィンランドのノキアや韓国・サムスン電子など世界大手に歯が立たないのが今までの国内メーカーだった。

 アジアのEMS(電子機器製造受託サービス)と端末設計から協業するピジネスモデルを構築中のNECカシオモバイルコミュニケーションズは、グローバルモデルの試作品を携えて現在、欧米や豪州の事業者行脚を続けている。

 「相当なコストダウンを実現している。加えて、特徴である薄型、防水機能も盛り込んである」(田村義晴社長)と同じ轍を踏むつもりはないようだ。


●存在感示せるか

 中国やフランスへ進出済みのシャープを含め、日本勢が活路を見いだす世界市場はもちろん甘くない。世界3位の韓国・LG電子ですらスマートフォン戦略を誤って赤字が続く。

 アップル、サムスンの勝ち組とそれ以外の優勝劣敗が鮮明になっている厳しい市場で、国内メーカーはキラリと光るスマートフォン技術で存在感を示せるか。

 これが“日の丸ケータイ”のラストチャンスになるのかもしれない。


 <国内スマートフォン出荷台数シェア(11年度上期)>

 1位 シャープ:22.7%
 2位 ソニー・エリクソン:22.2%
 3位 アップル:18.7%
 4位 富士通:9.8%
 5位 サムスン電子:8.3%
 6位 NECカシオ:8.1%
 7位 その他:10.3%




【記事引用】 「日刊工業新聞/2011年11月28日(月)/8面」


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