今回は、伝統的に痔の治療薬として使われてきた「乙字湯」の話です。
http://www.kanpouamerica.com/product/75
この方剤は、原南陽という江戸時代の医師の考案による方剤です。
http://medical.radionikkei.jp/tsumura/final/pdf/100623.pdf
長時間座って、ストレスをためながらお仕事を続けていて、血流が停滞して、胃腸に熱がこもったために、結果的に湿熱がこもって起る下腹部の症状を癒します。
この状態が、痔核(いぼ痔)、切れ痔、脱肛、便秘、陰部の湿疹による痒み、前立腺肥大を引き起こします。これらを治療する和漢薬が「乙字湯」です。
乙字湯の効能の中に、「脱肛」とありますが、もし体力が非常に落ちていたり、長い間の疲労による「弛緩性の脱肛」は補中益気湯(ほちゅうえっきとう)で気力体力を補いながら、下に落ちてしまった患部に提気とか昇気という作用を回復させながら治療をいたします。
また、急激に起きる痔の痛みの治療には、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)がよく効きます。
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