気儘に書きたい

受験勉強よりもイラストを書くのが好きだった高校生の頃---、無心に絵を描く喜びをもう一度味わえたらいいのだが。

今日は亡き父の五十回忌

2014-04-17 22:53:30 | イメージ画
「永遠のゼロ」を鑑賞したあと、亡き父の事を思った。太平洋戦争の末期に学徒出陣で海軍に徴兵され、南方の激戦地に送られた。終戦後、収容所で数年の抑留生活を経て帰国を果たした。私が小6の時に父が他界したので、父から戦争の話を聞かされたことはなかった。ただ私が幼い頃、父が木を削って作ってくれた潜水艦が妙にリアルだったのを覚えている。ゴムを装着したスクリューを巻いて水に浮かべると本物のように動いた。子供のおもちゃなのに、わざわざ灰色に塗装をしたのは父のこだわりだったのだろう。ずっと後になって祖母から聞いた亡き父の戦争体験談を思い出す。父が乗艦していた軍艦が魚雷攻撃を受け、魚雷の航跡が眼下に迫った時、父は甲板の手摺を握り締め「かあちゃん!」と叫んだそうだ。「天皇陛下万歳!」ではなかった。軍艦が小さかったのが幸いして魚雷は艦の下を通過したので、父は助かった。もし父が戦死していたら、私たち姉弟やそれぞれの子、孫はこの世に存在しなかったのだから運に感謝せずにいられない。
 父が生きていた時の最後の記憶は病院のベッドの傍らで、子供たちは為す術もなく危篤の父を呆然と見つめていた。


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