気儘に書きたい

受験勉強よりもイラストを書くのが好きだった高校生の頃---、無心に絵を描く喜びをもう一度味わえたらいいのだが。

東へ西へ

2011-04-07 22:23:20 | PC画
 東日本大震災の惨状が連日報道されているが、安全圏の九州にいる私は、被災者の不運に同情するものの、所詮傍観者でしかない。震災直後にネットを通じて救援募金にささやかな寄付をした。天災を他人事として遠巻きに見ているだけで形式的で偽善的な行為しかできないことに多少後ろめたさを感じている。
 私の身近な震災の影響は、福島産工業製品の出荷停止により、一人の顧客に迷惑をかけた事くらいで、食料や燃料の供給をはじめライフラインはまったく問題ない。一昨日、東京に住む次男のリクエストに応えるため、家電量販店に防災ラジオを買いに行ったが売り切れていた。本店にも在庫がなく入荷も未定だという。普通のラジオも在庫がほとんどなくなっているのを目の当たりにして、初めて大震災を身近に感じた。
 大震災の実感がこの程度だから、原発の放射能問題についてはネガティブに考えられず、世論は不安を煽り過ぎだと思っていた。
 東京の親戚が兵庫の妻の実家に疎開したと聞いたときは、乳児がいるから東京の水は飲ませたくないとはいえ、平穏な日常に突然2家族を受け入れることになった義姉の方に同情した。関東圏に住む人々の放射能汚染に対する緊迫感が私には想像できなかった。
 先週、千葉から避難してきた母子が私の店に買い物に来た。放射能を避けて西へ西へと人が逃げてくる。
 ところが、私の娘は人の流れに逆らうように、大震災の日に東京で試験を受けた会社に転職が決まり、先月末に千葉へ引っ越した。
 勝手がいいと思われるだろうが、私は日ごとに放射能汚染が他人事とは思えなくなってきている。幼い孫二人は名古屋にいるから安心だが、関東圏に住む次男や娘の行く末が心配だ。