気儘に書きたい

受験勉強よりもイラストを書くのが好きだった高校生の頃---、無心に絵を描く喜びをもう一度味わえたらいいのだが。

別府旅行の思い出

2010-02-09 09:32:08 | 風景画
 私は子供の頃、家族旅行をいつも台無しにしていた。小学1年の時、亡き父がレンタカーを運転して、家族で別府に一泊することになった。自家用車がまだ珍しい頃のドライブ旅行は1950年代の日本では洒落ていた。
 当時の国道10号線は未舗装で、道幅も狭かった。父は大型免許を持っていたが、運転技術はさほどでもなかったのか、宇佐を過ぎた立石峠あたりで脱輪してしまった。
 一家五人が途方にくれていると、通りがかった車が助けてくれ、無事に別府につくことができた。
 翌日、地獄巡りや高崎山へ行ったのだが、楽しかった思い出は残っていない。
 憶えているのは、姉と喧嘩をして臍を曲げた私が、別行動をしたことだ。
 両親の関心を引くために私は意地をはったのだろうが、親も辛抱強かった。
 家族に置いていかれない間合いで、後をつけた。そろそろ決着をつけて欲しいと思った頃
父にこっぴどく叱られて一団に戻ることができた。
 家族5人が納まった記念写真は高崎山で撮ったものが唯一のものだった。それを眺めて「幸せだったんだ」と子供ごころにいつも思った。