気儘に書きたい

受験勉強よりもイラストを書くのが好きだった高校生の頃---、無心に絵を描く喜びをもう一度味わえたらいいのだが。

平尾台の思い出

2012-05-30 22:34:59 | 風景画
 先月、バイクで平尾台へスケッチに行った。11時に家を出てから一時間弱で北九州市民のオアシス、日本三大カルストの高原に着いた。自前の手抜き弁当を食べながら2時間ほどで絵を描き上げ、夕方には家に帰り着いて夕飯の準備に取り掛かった。とても充実した休日だった。

 私が小学校の低学年の頃、両親と姉弟の5人で平尾台へハイキングに行った。配達用のトラックはあってもマイカーなど無縁の時代だ。
 門司港駅から鹿児島本線の汽車に乗り、小倉駅で本数の少ない日田英彦山線に乗り換えて七つ目の石原町駅で下車する。そこから登山口まで3kmくらいは平坦な道のりだ。幼少の私がそのあたりで「だいぶ登ったね。」と言って両親に笑われたのを覚えている。標高500mの高原に着いてから弁当を広げたのだろうが、遊んだ記憶は残っていない。幼い子供たちにとって、楽しいハイキングは登山口までで、あとは海軍上がりの亡き父の強行軍に付き合わされたようだ。亡き母もよく頑張ったものだと感心する。物質的に豊かでない時代だったが、なんて幸福だったのだろう。