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河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

安徳天皇漂海記

2007-08-22 21:21:50 | インポート
宇月原 晴明、中央公論新社。
鎌倉時代。
幼い安徳天皇が、壇ノ浦で敗れ、入水する。
しかし。
彼は、琥珀の珠に封入され、海をさまよう。
源実朝とその従者の夢にたびたび現れ、実朝を誘う。
2部構成で、前半は、実朝が死ぬまでの従者の少年の語り。
後半は、フビライ・ハンの元に身を寄せるマルコ・ポーロの見たもの。
安徳天皇が、何を求めていたのか、ほとんど明白にはならず、
そのあたりが、薄気味悪さ倍増。
実朝の描きぶりは、著者の思い入れがあるんだなあというかんじ。
日本の歴史を、近隣諸国からみた客観的な部分からも照らして、
重層的にしているあたりは面白いけど、
夭折した天子は、じゃあ、日本人ばかりじゃないだろうよなあ。
日本国外に遠征してるのに、日本人ばかりなの?なんてことも
思うけど、予想不可能、日本にあって日本にあらずな世界観が面白い。
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