河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

船に乗れ!3合奏協奏曲

2010-02-07 21:52:02 | 読書(小説)
藤谷治、JIVE。
最終巻だ。
タイトルの「船に乗れ!」、よく意味はわからんかった。
強いて言うなら「悟浄嘆異」の「生の渦巻きにまかれよ」か?
仏教的な内容を、ドイツの哲学にしたらこんな感じ?
ともあれ、津島サトルの音楽生活の終焉と現在までが描かれ、幕。
わざわざ時代設定を1980年前後にしてるのは、作者の歳かもしれんが、
南枝里子の言動が、今ではあり得ないからなんだろうな。
お母さんは、お父さんのことだけ好きなんだ、そうでなきゃ
生まれてくる子どもが混乱する・・・。

特別赦しがあるわけでもなく、サトルは生き続ける。
それは皆、人生という航海に出ている者すべてに課せられた使命だ。
生きていくこと。
そしてそれは、特別なものでも何でもない。
人は皆自分の物語の主人公かも知れないけど、
他人から見たら脇役以外の何者でもないんだし。
・・・ってなことを読み終わって星空見ながら考えた。
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本質を見抜く力

2010-02-07 12:49:00 | 読書(その他)
養老孟司と竹村公太郎の対談集、PHP新書。
最初は、かみ合ってんだかないんだか分からない、
じじいどもの勝手なおしゃべりにしか聞こえず、
ちょっとイライラしたけど、
終わりの方の神門氏を交えての鼎談あたりから、
ちょっとまあ言いたいことが見えてきて、
最後の章でなんとなく納得した。
私が最近思ってることにも言及してたし、
私の考えはかなりじじいだということは分かった。
しかし、これからの日本、どうなっていくのか。
正しい答えなんてないんだから、やったモン勝ちだ、
ととある人に教えられて、半ば反発しながらも
受け入れた大学生の頃・・・。
みんな通る道というわけではなかったのだね。
江戸時代の水防とか、大学の基礎研究もそうだけど、
いままでの先人が何百人もかかってようやく築いた基礎を、
その意味もしらないまま無視したり、壊したりするのは、
やっぱり間違ってると思う。
改革は必要だけど、どうしてその方法でやってきたのか、
その意味も知っていないと、連鎖がぶち切れてしまう。
伝えて欲しいし、なにより、知ろうとして欲しいなあ。
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