中谷昇(岸田国士の娘・岸田今日子の元夫)が演じるどら息子は、炬燵に寝た
ふりをして、総ての成り行きを見透していて、自分が全額の20円を持ち去った・・
「親父様20円借用」の紙片を銭箱に残して立去る ・・・ 女中は救われ、どら
息子に感謝する ・・・ 短い話だが心温まる人情味あふれる話し・・・・・
岡場所 ・・・ 昭和33年まで、どこにでもあった。三流娼館、とでも言うか?
貧しさの故に売られた女の中でも ・・・ とびきり美人の売れっ子がいる。抱え
主もちやほや、
上がる客も上客が常連となる ・・・ 若き日の 山村 総 と 淡島千景
紺屋 高尾 ・・・ であはないが、ぞっこん惚れ込んだ男、元はそれ並みの生まれ
だが廓通いに使い果たし、貧乏人になり下がった男を演じる「宮口清二」。
身も世もなく 女が忘れられず家庭を捨てて廓の廻りをウロツク ・・・・ 挙句の
果て ・・・ 強制心中をはかり、女を刺し自分も死ぬ ・・・ 。
※ 先ずは台本(原作がいい)脚色(シナリオ)がいい ・・・ 当然監督の力量 ・・・ に
俳優の演技 全部揃った!ほめても褒めたりない!傑作。 文学座総出演。
※ ※ 樋口一葉の代表作 ・・・ たけくらべ ・・・ の出だしの 一文
廻れば大門の見返り柳いとながけれど、お歯ぐろ溝に燈火うつる三階の騒ぎも
手に取る如く、明け暮れなしの車の行来にはかり知られぬ全盛をうらないて ・・・
云々 ・・・・・
この調子だからちょっと、原本を読む気にはれない ! 。