浅田次郎作の「蒼穹の昴」講談社全四巻は15年位前、一気に読んだ。
それが、今回日中共同製作、と 言っても殆ど中国で撮影製作されたので、
出演者も日本人は実質「田中裕子」一人。全25回で毎週土曜日、約半年間
NHK BS hi にて放映された。
壮大なドラマ?で、単純に言えば、清朝末期、体制改革派の11代皇帝「光緒帝」
と保守派の叔母に当たり政治の実権を握る「西大后」との政争とも言える。
時代的には1900年頃(明治)の実話。
毎週土曜日が待ちどうしい位に面白かった。 終わって少し寂しい。
田中裕子が演じる「西大后」兎に角、彼女の演技は素晴らしいかった!
全編中国語。 恐らくクチパク?だろうが?全く不自然さを感じさせなかった。
一途に清朝「愛新覚羅家」を守ろうとする守旧(保守)派、を演じて抜群。
光緒帝。日本の維新を手本に改革近代化「立憲君主制」を目指すが、
性急過ぎて“朝令暮改”で混乱、西大后暗殺が発覚皇帝は中南海に幽閉・・
され変死する。
同志(改革派は日本に亡命)光緒帝最愛の「珍妃」も囚われ幽閉、最後は
殺されて井戸に投げ込まれる・・・・「蒼穹の昴」の続編として、「珍妃の井戸」
の本がある。
皇帝の象徴は「龍」色は「黄」・・・
黄色の瑠璃瓦の紫禁城の一画・・・ 紫禁城(今の故宮)のセットや、清朝の男女
のコスチューッムが実に綺麗で素晴らしかった。
※ この物語の特徴は、西大后が世情で言われているような「悪女」ではなく
権謀術数の中を潜り抜けて生きてきた、知的な、したたかな、末期の清を彼女
なりに必死で支えようとした女性として描かれている事だと思った。