新勝庵

元サラリーマン、映画・読書・芸術好き。
おんとし 92歳 です。

さんまの歌

2015-09-06 15:43:19 | 日記

台風が過ぎて、九月になって、  いよいよ本格的な秋だ!

何時も買い物に行く サニー に真新しい 秋刀魚が沢山並んだ。

秋刀魚は秋のシンボル、 酒の肴にはあの “ はらわた” のほろ

苦みがなんともたまらない。 家内が居た時は 毎年秋になれば

焼いくれた。 家内は居なくなったが、自分で焼くことはしな

し、以前ほど食べたいと も思わない、 老化の証し (味覚欲の

衰え)かな?

それよりも、さんまを見ると、 毎年、あの侘しい 詩 を思い出す。

       佐藤春夫 ・・・・・  「秋刀魚の歌」

  あわれ   秋風よ   情 (こころ) あれば伝えてよ

  _____  男ありて

 今日の夕餉に 一人さんまを食(クラ)いて 思いにふけると。

 さんま     さんま 

そが上に青きみかんの酢(す)をしたたらせてさんまを食 う は

その男がふる里のならいなり。 

そのならいを あやしみて  なつかしみて  女はいくたびか 青き

蜜柑を もぎて 夕餉にむかいけむ。

 あわれ、 人に捨てられんとする人妻と、 妻にそむかれた男

と 食卓に向かえば、 愛 うすき父をもちし 女の児(こ)は、小さ

き箸をあやつり  なやみ つつ 父ならぬ男に さんまの腸(はら)

をくれむ というにあらずや ・・・・・・

        ― 中 略 ―

  さんま  さんま

さんま 苦いか 塩っぱいか。 そが 上に熱き涙をしたたらせて

さんまを食うはいずこの里の習いぞや   ・・・   以下略

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むかし在京(60~70年)時代、  先輩が 飲み屋で この頃のさんま

大量網獲するので 秋刀魚が暴れて 皆ウロコを呑み込んでいるの

ワタが もぞもぞして 美味しくない! ・・・ と言っていたのを思い出

す。

九州は秋刀魚は食べず、鰯が主流だった ので、先輩の話と、秋刀魚

は内蔵が美味しいんだとい言う事を初めて知った。