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1年で上へ12      

2021-11-24 00:01:37 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 先の週末にJ2降格が決まったJ1クラブが3つ出ました。大分さん、仙台さん、横浜Cさんです。当ブログでもこれから順番にその背景をリスペクトしていきたいと思います。まずは大分さんです。三位一体の支援者を象徴するクラブ名なので、当ブログも地域クラブの雄として昔から応援してきました。
 大分さんは実にドラマチックなクラブです。かつては溝畑社長、シャムスカ監督でナビスコ杯を制し、J1で輝きました。その後経営に行き詰まって、J2からJ3にまで落ちてしまい、どん底まで観られました。そこから蘇生され、片野坂監督の手腕もありますが、見事J1復帰にまでたどり着き、2019年から3季J1に所属されました。順位も9位、11位とJ1中位をキープしていましたが、今季は一転降格圏におられました。やはりコロナ禍もあったのかな。
   
【大分のJ2降格招いたコロナ禍の悲劇】
「昨季まで主将を務めた鈴木義宜(現J1清水)や生え抜きの岩田智輝(現J1横浜M)ら主力が昨オフに次々と移籍。片野坂監督が就任した2016年以降、自陣からパスをつないで数的優位をつくる戦術でJ3からJ1へ駆け上がったチームはシーズン序盤に7連敗と立て直しに時間がかかった。例年なら自動降格は2チームで大分は免れる順位だが、コロナ禍で昨季降格チームを設けなかった反動で今季は4チームに増えた。異例のシーズンも“悲劇”の呼び水になった。」
〔主力が流出、「育成の大分」の復活がカギに〕
「降格の原因となった主力の流出はコロナ禍が招いた悲劇でもある。大分は昨年度決算で11期ぶりに赤字へと転落。2009年の経営危機を受けて健全化を掲げてきたクラブには、無理をして選手の慰留や大胆な補強をする余裕が財務的にも心理的にもなかった。
 チームが初降格した09年はシャムスカ監督の5季目。J3へ落ちた15年も田坂和昭監督になって5季目だった。どちらも確固たる戦術でタイトルやJ1昇格をもたらした功労者だが、長期政権に伴うマンネリ化が停滞を生み、故障や資金不足による戦力不足で戦術も崩壊した。
 片野坂監督は9月以降に3勝3分け3敗と立て直したが、指揮官頼みのチームだったことは否めない。親企業を持たない地方クラブの大分は、今季J1最少規模の約17億円だった予算が来季は減額される見通し。限られた予算で安定した戦力を確保できるかが課題となる。同規模の予算を組む鳥栖は育成組織から次々と有望選手を輩出し、主力が抜けた穴を埋める。かつて清武弘嗣(現C大阪)ら日本代表を次々と生んだ「育成の大分」の復活がJ1定着には欠かせない。」
引用:西日本スポーツ

 主力選手の流出もあったようですね。これは地方クラブの宿命です。このコラムでは長期政権の弊害を説いていますね。資金力の乏しい地方クラブは監督頼みという側面も垣間見えました。確かに補強に限界がある訳ですから、指揮官の力量にすがるしかないのでしょう。元柏の片野坂監督、多くの名将に仕えて勝ち方を学び、それを生かして勝ち上がってこられ、昨季もJ1で11位と健闘されましたが、今季は壁にぶちあたった訳ですね。あとは育成しかないですね。
 大分さんはかつて「育成の大分」と呼ばれていたのですね。アカデミー出身選手を見ると蒼々たる顔触れです。代表経験者では梅崎選手、西川選手、清武選手、松原選手、岩田選手ですか。他にもJ2を中心に多くの選手を輩出しています。「育成の大分」の復活が問われている訳ですね。
   
【大分トリニータJ2降格の原因と、克服すべき課題】
「J3だった2016年から率いる片野坂監督の下で昇格初年度の19年には9位に入るなどJ1に旋風を巻き起こしたが、今季は戦力の流出にも苦しみ、昇格3年目で力尽きた。8位のアビスパ福岡は柏に引き分け、勝ち点52で開幕当初に目標としていた10位以内を確定させた。7位のサガン鳥栖は札幌に1-0で勝って同59にした。」
「片野坂監督が就任した2016年から全員が連動してパスをつないで崩す戦い方を構築。自陣から攻撃を組み立てることで相手の守備を崩し、数的優位をつくってきた。だが、今季は体を張って守った後のパスに精度を欠いた。この日のシュート数は2。『実力不足』。渡辺がつぶやいた。
 監督とフロントが口をそろえた降格の原因が主力の流出だ。コロナ禍の影響で昨年度11期ぶりの赤字に陥ると、守備の要だった鈴木義宜が昨季終了後にJ1清水へ、下部組織出身の岩田智輝もJ1横浜Mへ移籍。」
「6季目の片野坂監督は9月以降の9試合に3勝3分け3敗と持ち直したが、コロナ禍で2クラブだった自動降格が4クラブに増えたことも響いた。榎徹社長は『彼じゃなければ(J1昇格は)できなかった』とかばった。片野坂監督は今季限りで監督退任が確実なだけに、今後は指揮官に依存せず、フロントが安定的に戦力を供給できる体制を目指す必要がある。
 クラブはかつて多くの日本代表を輩出した下部組織の強化を進める方針。鳥栖にお株を奪われている育成クラブの復権も、J1定着には欠かせない。」
引用:西日本スポーツ

 片野坂監督の手腕は大きく貢献したと思います。就任1年目はJ3からですから。そこからJ2、そしてJ1に復帰し、3季戦った訳ですから。コラムでは今後は監督に依存せず、フロント側が戦力の安定化を図る必要があるとあります。それがなかなか上手くいかないわけで。片野坂監督といえば、ガラガラ声の監督インタビュー。それくらい試合中に声を出す指揮官。浅田飴がのど飴を提供し、スポンサーになった時は話題がありましたね。

 片野坂監督とともに今まで貢献されたのが榎社長だと思います。大分県職員出身で三位一体らしい人材。J3降格直後の'16年に就任され、'19年にファンド㈱の買戻しを完了して経営再建を完了されました。
 筆頭株主(20%)に貸会議室大手ティーケーピー(TKP)が就いた事が大きかったですね。2014年に債務超過を解消してJリーグに残留するために企業再生ファンドから3億5千万円の出資を受けていますが、TKP以外にも数社から新たな出資を得たとしており、ファンドからの株の買い戻しを終え、経営再建にめどを付けられました。さぁこれからJ1でもっと暴れてやろうといった時のコロナ禍、J2降格でした。これも榎社長の手腕ではないでしょうか。'20年にJリーグ理事に就任しておられます。溝畑社長とは全然違うタイプで大分というクラブを救った恩人だと思われます。
 クラブには苦労も続きました。最近でも社員の窃盗事件もありましたね。来季はJ2で地元岡山と相まみえますが、J2時代の大分さんにはやられた記憶しか浮かんできません。次の監督次第でしょうが、すぐにJ1に戻って欲しいですね。地方クラブの雄としてまたJ1で暴れまわって欲しいです。
J1大分関連⑱:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20200818
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